2014年1月24日 公開
風邪の治療を顔で治療?
まだまだ寒さの続く馬の年の1月です。
と言いましても、あと1週間で今年の12分の1が終わってしまうのですが、やっぱり寒いのは寒いです。この寒さのなか、今日はインフルエンザA型の患者さんが4人、インフルエンザB型の患者さんが1人いらっしゃいました。
どうやらすごい勢いで増え始めているんですね。
そうすると、うちの看護師さんが「先生もマスクをされたほうがいいんじゃあないですか?」とマスクを一枚持ってきてくれました。優しいなあ~、と感激はしたのですが、「ううん、いらへんよ。ありがとう。マスクも役には立つけれど、実際、インフルエンザウィルスが私の鼻の奥やのどの奥に到達するには咳しぶきを直接うけないとあまりかからないし、それにしぶきを受けた時にはすぐにうがいや鼻うがいをしているもの。」と答えました。
そうなんです。普段、患者さんたちとめいっぱい、接している私たちはちょっとやそっとのことでは意外と風邪やインフルエンザにはかからないんです。ところが、自分ちの子供が、かかっていてかわいそうやねえと頬ずりなどをしたり、思わずキスでもしようものならすぐに感染してしまうんですよね。
なかなかにウィルスたちも考えているんですかね?
そして、もう一つ私がマスクをできるだけ使いたくない理由があります。
それは人間の脳の認知機能の中には特に顔の表情を読むということに重きが置かれているという事実があります。そのために、人は人とのコミュニケーションの中で、知らない間に顔を読んでしまっているのです。
すると、患者さんのことを心配して「どうですか?」と声掛けするのは当たり前なのですが、その声にちゃんと顔もついてきてくれるのです。ところが、この顔の表情をマスクが覆い隠してしまっていますと、とっても残念なことになってしまいます。
最近の医者の治療には本当の意味での手当が少ない、などと言われますが、触るだけでは足りません。
声はもちろんのこと、表情も使いながら患者さんを治すことに専念すべき職種なのです。
もっとも、週末にニンニク料理をたくさん食べた翌日は私もマスクを使いますけれど、、、ごめんなさい。