第7回パワーボイスセミナー

『耳の働きと声の関係』

平成23年5月7日(土) / 大阪開催

平成23年5月7日(土)に第7回パワーボイスセミナーが終了しました。

今回のセミナーは『耳の働きと声の関係』についてでした。良い声を出すためには自分の声が自分の耳でよく聞こえていなくてはいけません。そのための耳の整え方と、また音をどう聞くかによって自分の耳を鍛え、パフォーマンスの向上させていく方法などについてお話しさせていただきました。

今回は皆さんの質問などを見てもわかるように、かなり深いお話ができたのではないかと思っています。参加者の皆さんの質問とその答え、感想は以下の通りです。これから参加してみたいと思っていらっしゃる方は、ぜひご参考になさってください。

参加された皆さんとのQ&Aと皆さんのご感想

青字は参加者赤字はセミナー講師であるボイスドクター松永

Q:イタリア語の曲を歌うとき、イタリア人の感覚と日本人の感覚で解釈が違ってくると思うのですが、たとえば『待ち合わせに遅れた』という歌詞があるとして、イタリア人的には『たいしたことない!』という感覚でも、日本人にとっては『大変!遅れた!』となって表現が違ってくると思います。そこで、自分とは違う解釈の演出家の意見をどう考えたらよいのでしょう?
A:自分とは意見の違う演出家の意見を取り入れてやっても、また人から何を言われても、舞台に立つときにはどうしても『自分』が残ってしまうし、人によって『演出家が1番』という人もいれば『自分が1番』という人もいるでしょう。そこはまず自分が納得するまで演出家と心を割って話し合うことが必要ではないでしょうか?まずそれをやってみてください。
Q:前回のセミナーで実際にうたったときに『耳に頼りすぎ』と言われたのですが、今回のテーマである『聴きに行く』ことと『耳に頼りすぎ』の違いをどう考えればよいのでしょうか?
A:自分で曲を練習するとき、譜面を見ずに誰かが歌ったテープで練習する人がとても多いです。そのような形で練習しているといつのまにか他人の解釈で歌うことになってしまうので、まずは譜面で歌うことの基礎を学びましょう。リズム、音などの基礎的なルールを学んでから、情景を想像しながら歌っていく。まず譜面通りに音を出すことが基本です。『耳に頼りすぎ』ずに、自分のオリジナルの曲にしましょう。
Q:よくステージを見ているとバンドの音がうるさすぎるのか耳を押さえて鵜あっているボーカリストを見かけますが、あれはまわりの音がうるさいので骨導音を聴いているのでしょうか?また、耳を抑えて自分の声を聴いていいのでしょうか?
A:そうです。
そして、耳を押さえて聴いてはいけないとする理由はありません。気導音では低い音は伝わりにくい。骨導音ではロスなくすべて伝わります。
Q:ずっと英語の曲を歌ってきて、最近になって日本語の曲も歌い始めたのですが、かえって母国語で表現することのむずかしさを感じています。
A:歌を歌うことは自分の内面をさらけ出すことです。今は多言語の、特に若者は自分の母国語以外の曲を歌う傾向にありますが、歌詞を自由に操れないと曲に思いも心ものってこない。あなたは日常の生活のなかで、日本語で周囲の人とよく語り合っていますか?本音(心のなかの深い思い)を言葉にしていますか?日々の生活の中で自分の心を素直に出していかなければ、歌でも伝えることはできません。
まずは日頃から母国語でオープンに人と話すことを心がけてみてください。
Q:音はどこでとるのが良いのでしょうか?
A:いろいろな意見がありますが、耳ではとりにくく、ハミングをしたときに振動する鼻の奥の少し柔らかいところが1番とりやすいです。

感想:最初に練習するとき、きちんと音(譜面)を把握してから歌っていくことがわかって嬉しい。

『音を聴きに行く』ということひとつとってもそこには様々な学びがあります。次回はぜひ、あなたも参加してみませんか?