「歌の世界をもっと豊かに拡げる方法」2.歌声に深みをつけるには

だから、ほんとにお願いしたいのは、まず素の譜面を手に入れてほしい、
ってことなんです。

で、それでメロディーライン、
・・・とこんな感じで自分の中にメロディーラインが入りました。
そらで歌えるようになった、だいじょうぶとなりました、となったときに、
自分で自分の歌った歌を録音して聴いてみて、ちゃんと歌ってるんだけどなんか
あんまりおもしろくないな、なんかかカッコよくないな、、、と思うときがあると
思うんですよ。
なんか自分1人でやってると、自分の声にまだそこまで深みがないなあ、もう
ちょっと深みをつけるためになんか声が太くなったらいいなあ、声が高くなっ
たらいいなあ、、、と、みなさん、そんなふうに思われるんですね。

でも声が急に高くなったり、太くなったりはなかなかしないんです。
ところが自分1人で歌うとそうなんですけど、伴奏をつけたり、ここにコード、
和音をくっつけていくと、ちょっとなんか音が豊かになったような感じがします。
ただこれを伴奏付けずに自分の声だけで、あたかも伴奏が付いてるかのように
表現できへんのか! っていうのが、今日の課題のひとつなんです。

じゃあね、どうしたらいいの? っていうことなんですけれども、
こういうのってハーモニーって言いますよね。
ハーモニーって、日本語で言うと『調和』ってやつです。
そのハーモニー、調和をさせるために、和音っていうのをくっつけたりするん
ですね。
「このひろーい」ってある譜面のここに、「♭」(bフラット)ってあるの
わかりますでしょうか。
でね、コードネームがわからない方は申し訳ない、ほんとにここは勉強しても
らうしかしゃあないんですね。
あー、あのちょっと簡単なことをここに書いときます。

ま、ト音記号ってのがあるわけですね。
ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ、ドってあります。
で、ここにト音記号があってなんにもついてない、フラットもシャープもなん
にもついてないときっていうのは、大体ここをCって表現するんですね。
ドイツ語でいうとテー、デー、エー、エフ、ゲー、アー、ハーってなるんです
けれども、これ英語で言うとc、d、e、g、f、a、b になるんです、何故かね。
で、この c の上にド・ミ・ソって乗っかってると、これがドミソの和音、これ
Cってやつなんですね。
・・・っていうふうについてます。
じゃあ、この曲の1番ド頭にbフラットが付いてました。
bラットって何? というと、えーとこれが b に当たるところなんですけれ
ど、この1個下のところにフラットが付いているところ、音でいうと、これ
のフラット、、、この音ですね。
この音になったのを b フラット、だからここからまたドミソと3つ乗っかった
のがbフラットの和音ですね。
ですから音的には始まりは、ドミソ、、、ではなく、こういう和音。
これがbフラットなんですねー。
ですからこのbフラットの和音の中で「このひろーい」ってのがぜんぶ入ってる
んですね。

で、これはメロディーラインです。
「このひろーい、野原いっぱい」ってやるのがメロディーラインです。
だけれども、このハーモニーをつくっていくための和音、
・・・って、こういうふうにきます。
でこうやっていっぺんに3つとか4つ弾いてるとなんか音に厚みはでるんだけど、
じゃあ、このハーモニーの分も一緒に歌いましょうってやってみたら、そんない
っぺんに3つも4つも(声では)音だされへんわけです。

じゃあ、そのときにどうやるのかというと、もうこのbフラットのところだけ
ここだけを歌います。
どんなふうに歌うのん?

  このひろいー、のはらいっぱいー さくはなーをー♪

みたいにね。
そういう、まあコーラスでやるときには一番下のベースラインを歌ういうこと
です。
でもこれ意外と難しいんですね。

というのは、最初に一生懸命メロディーラインを覚えすぎちゃいますと、その
後でベースラインを歌うのは難しい。
じゃあ、そこを(歌詞ではなく)マーとか、アーとかでやってみる。
どういうふうにやるの?

 アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア・・・

これ要するに4分の4なんですけれども、あのよく、1とー2とー3とー4とー、
といういい方しますよね?
だから、オモテ・ウラ・オモテ・ウラというのがあるんで、12345678って
その分もあるのでいまわたし8回たたいて1小節にしましたけれども、感じるのは
そういう感じ方でもいいんですけれども、歌うたうときでしたら、

 マーマーマーマー マーマーマーマー マーマーマーマーって

こういうね、bフラット、dマイナー、cマイナーセブンってありますけど、その
いちばん根っこの音だけをマーとかアーとか、どっちか出しやすい方でいいので
いっぺんまずみんなでやってみようかなと思います。
いいですか?

でもそれよりはまずは先にいっぺん、メロディーラインを歌ってみましょう。

1234、このひぃろーい のぉはらいっぱい さくぅーはぁなぁーをー
ひぃーとぉーつぅーのぉーこぉーらぁずぅー あなたぁーにぃーあーげぇるー
あかーい りぃーぼぉーんのぉー はぁーなぁーたぁーばぁー にぃしぃてぇー

ハイ、そうですね。
それではこんどはわたしは1とー2とー3とー4とーって弾きますね、でもマー
とかアーでけっこうです。

 マーマーマーマー マーマーマーマー マーマーマーマー マーマーマーマー
 (繰り返す)

・・・と、こんな感じになるんですよね。