「ほうれい線、ゴルゴ線よ、さようなら!」3.歌うことで表情筋のトレーニングになるのか?

さあ、ここからが今日の本題です。
歌う、ということで表情筋の訓練になるのか?
・・・なります。
まず口もとを動かしましょう。
それで、お歌を歌う、声を出すとき、どういうときに一番表情筋、口まわりの筋肉を使わねばならないかというと、これはもちろん私たち日本人、日本語を使いますから、日本語に独特の五母音ですね。「あいうえお」ってやつです。
これをきっちり使ってやる。
この五母音を使うときに口だけしっかり開いてたらいいかというと、ここがポイントなんですが、顎にも力入れながら、ちゃんと「あいうえお」をやってくださいってことなんです。
どういうことか?
もしもみなさんの中で人と話すことをお仕事にされている方がいるとしたら、それがすなわちイコール顔ヨガならぬ声ヨガといいましょうか、お顔の筋肉に密接につながる表情筋トレーニングになるんですね。

さ、じゃ、歌うときにまず母音を使いますね。
母音を使うときに顎を使うってどういうこと?
というと、口を開けることに一生懸命になるんじゃなくて、むしろ「あ」といったときに軽く噛みしめるみたいな感じで「あ」といってほしいんですよ。
この「あ」とやるときのイメージとしては、りんごを齧るときみたいなイメージ。
要するにここでキュ!と噛んだときに何が起きるてるのかというとこの唇、と唇まわりにつながる筋肉に力が入る、と同時にもうひとついいのは、口の中でできている共鳴腔、ここがピン!と張って、響きがよくなるんです。
ここを意識して発声するだけで、声の通りが全然ちがいますね。
響きも違います。

響きがよくなり、お顔にいい感じの力が入り、声が通り、心晴れ晴れ、それでみなさんのお耳にも心にもお話が入っていく、そういう声を出すことができます。
これが母音を出すときの1番のポイントとして覚えておいてほしいことです。

この母音を使うときに顎に力を入れるというのは、これはもちろんその時々の音につらなってやってほしいのですけれど、ちょっと軽く噛む感じで発声していただくと少し変わります。

次は唇です。
私はよくいいます、歌を歌うときにあんまり唇に力が入ってるとなかなかいい歌が歌えません。
そこで唇の鍛錬をします。
この鍛錬はむしろ唇をラクにしましょう、ってことで、唇をブルブルブル・・・と震わせてリップローリングをします。ここに力を入れないんです。
入れないのになんでさっき入れるといったの?
ということですけれども、実は基本は唇に力は入れないんです。
ところが、やはりお歌を歌う瞬間の細かいところだけはやっぱり力を入れて、というところがあるんですよ。
唇にまったく力を入れずに歌を歌ったら、細かいニュアンスがまったく出ません。歌に。
『めだかの学校』という歌を例にとって歌ってみると、『めーだーかーのがっこうはあー』のMはDはKはNは、というと、この子音のところではほんのちょっとだけ唇に力が入ってるんです。
この軽やかに子音に力を入れてあげるっていうことが、この口まわりの微細な筋肉運動になります。