地声で歌うっていいこと? 2.ブレイクポイントを上手につなげるには

声帯というのは、2枚の粘膜のヒダです。
右にひとつ、左にひとつあります。
よく皆さん、声帯が合ってるとか合ってないとかいいますが、声を出しているときは基本、ぜったい声帯は合いません。
合ったら大変です。
声帯がピタっと合ってしまったら息が漏れないからぜったいに声は出なくなってしまいます。

ですから紙一枚の差でもって、声帯は寄ってはくるんですがまた、ひゅんと離れます。
大体これを1秒間に100回ほど繰り返すと100ヘルツの音というわけです。

絵で描いてみます。これが声帯です。
声帯の動きを手で表すとこんな感じです。
紙で表現するとこんな感じです。

これが地声、これがちょっと高い声、ファルセットとなるとこれがぎゅっと寄るんです。
つまりファルセットは声帯の寄りかたが違うんです。

地声と裏声というのは大体誰でもできるんです。
ところが低い声からだんだん高い声になっていってチェンジするところ、ブレイクポイントですね、これを聴いている人にわからないようにうまくやるのがポイントなんです。

そのポイントを変に目立たせずに上手に通過するには、といったらそれはもうただただいつもいっているように私が提唱している腹式呼吸であるとか、それから口をしっかりあけて母音をつくっていく、ということが重要なんですね。

丹田に力が入ってお腹が外に張りだされると、横隔膜が下がります。
横隔膜が下がると肺が下がる、肺が下がると器官が下がって喉頭が下がります。喉が下のほうに引っぱってこられると、喉を前後にきゅんと引っぱる引っぱり方がすごく楽になって、裏声が出しやすくなる。

さあ、それでここで表声である地声と裏声、ファルセットを上手につなげていったらいいのですが、ここで上手につなげていくと面白い声が出てくることがわかってきたんです。

声の区、なんですね。
これは声の質とはまた別のことです。
それってなんなの? といったら、

胸声(区)= 地声
中声(区) =  ミドルボイス、ミックスボイス
頭声(区) = ファルセット

大まかにいうとこんな感じですね。

では先ほど話した地声と裏声の間、喚声点(声が変わるチェンジのポイントですね)って、そんなに幅があるの?
ということですが、実は幅がないのを幅があるように聴かせるのがこれがミドルボイスとかミックスボイスの面白いところなんですね。