「神様に歌うということ」4.歌うことの起源
みなさん神さまの子、と仮定したら、神さまの子どもでもこうやってエネルギー交換してくれるんですから、神さまだったらどうでしょう?
神さまだってほんとうに一生懸命何かを伝えたら、向こうのほうでも響いてくれるんじゃないでしょうか?
さあ、ここでみなさんに質問です。
神社でもいいです、教会でもいいです、お祈りされるときにいろんなお祈りがあると思いますけど、基本どんなことを祈られますか?
参加者のみなさん:
今日もがんばらさせてください、とか。
演奏前に歌詞を忘れないようにお願いしたり。
病気の人のために祈ったり、家族の健康を祈ったり。
祈りというよりは誓いというか、何か約束をするような・・・
では、ここで参加してくださった4人のみなさんへの特典です。
お祈りの仕方をお教えします。
まず、いろんな大変な境遇、いろんな大変な状況のなかで、神社なり教会なり、祈る場に来られた、ということだけでもうれしいことです。
うれしいと楽しいの違いってわかりますか?
うれしい、というのは、楽しいプラス感謝の気持ちです。
歌わせてもらえてうれしい、歌えてうれしい、ダンスしてうれしい、脚が動いてうれしい。
実は「うれしい」というのはとても深い言葉です。
感謝のともなった言葉です。
いま、いただけているもの、いまあるこの状態、それを感謝するということをウハウハウホウホいいながら歌って踊っていた原始人のその文化が昇華してきたものが、実は歌なんですよ。
だから最初は歌っていうのは、人が暇つぶしに、人がそれでお金儲けをするためだけに出てきたわけじゃないです。
わたしたち日本人の文化の中には神さまに感謝をするために出てきた歌というのがほんとに山のようにあります。
それが芸能というものがどんどん進化することによって、神さまだけじゃなく人様にも歌って聞かせよう、みんなで楽しくなろう、こっちが楽しく演奏してたら、おなじく兄弟同胞であるお客さまも楽しんでくれて、うれしくなっちゃうんですね。それが実は「歌う」っていうことの起源なんです。
・・・としたらば、神さまに歌うってことは何か?
もうみなさんにはおわかりだと思いますが、「祈り」です。
アメイジング・グレイスも、祈りながら歌うんですね。
そんな感じで、ありがたいな、うれしいな、楽しいな、という気持ちを中心に歌う、っていうのが、これが実はゴスペルの起源なんですね。
苦しい、つらい、やってられない。
でもいまここに祈れるから、いまここにたぶん神さまおわしますから、いまここに歌っている自分を見てくださってるから、だから歌えるんだありがたい! といったときにゴスペルっていうのが出てくる。
だから面白いことにゴスペルとブルースって旋律は似たような感じなので私ら日本人が知らずに聞いているとおんなじようなものかと思っちゃうけど、黒人のゴスペルシンガーの人たちに聞くと「え? ブルースシンガー?あんなのと俺たちを一緒にしないでくれよ! ブルースなんか歌ってる奴らは地獄行きだ!」っていうんです。
どうしてか。
神さまの存在が信じられないから「ああ、誰も自分を愛してくれない」
なんてことをブルースで歌うわけで、それを、何いうてんのん、あんたすごい愛されてるやん、それに気づかんあんたが悪いだけやん、ちゃんと目見開いて世界を受け入れろよ、そうしたらあんたも受け入れられるから、っていうのがゴスペルです。
それをもってして歌ったときというのは心が開かれてるから、そのベースを持ったうえでパフォーマンスに入ると、すごいお客さんは心開いてくれるし開かざるを得ないんです。
そんなときにお客様はほんとに神さまになります。