「咳が止まらず声が出ない!」5.免疫力を上げるには?
ここからは免疫力を上げるためにはどうしたらいいかという話です。
まず免疫力を上げるには血行がいいほうがいい。
血管というのはしょっちゅう広がったり狭くなったりしていますから、血液をたくさん流してやるためには血管を広げたほうがいい。
どんなときに血管は広がるでしょうか?
・・・リラックスしているときです。
基本、免疫力を上げようと思ったら副交感神経を刺激してやらないといけない。
リラックスして気持ちよくなると副交感神経は上がります。
では、どんなリラックスがいいか?
簡単な方法としては、柔軟体操がいいんです。
身体をほぐすってことです。
柔軟体操、ヨガ、自分でやるのが面倒だったら上手なマッサージ屋さんで身体をほぐしてもらうとか。
身体をほぐすことで神経の通りがよくなります。
今回の1番のポイントとしてお話ししているのは喉ですから、喉のところにいってる血行・血流を良くすることと、神経をリラックスさせて副交感神経を刺激してやることのひとつに『首回し』というのがあります。
軽く回すんじゃなくて、しっかり回します。
まずこれをやるときは両肩をグッと上げて、ドン!と落とし、力を抜いてブルブル・・・と肩を前後に揺すります。
で、この状態でしっかり首を回します。
けっこうしつこくやります。
10回もやるとけっこうしんどいけど、後で首がラクになります。
これを左右でやります。
こんなことをするだけでも首の凝りが取れやすくなるし、それから血行・血流も改善するし神経もリラックスします。
それから腹式呼吸ですけれども、腹式呼吸の何がいいかというと、人間の身体の中には血圧をコントロールするセンサーがいっぱい入っていて、腹式呼吸で肺をいっぱい広げれば広げるほど血圧って安定するんです。
それと同時に副交感神経も安定してきます。
すると血流もよくなって身体がだんだんポカポカしてきます。
自律神経のバランスが一番整った状態です。
では、もうひとつおまけにいきます。
喉が腫れてるんだけど練習はしたい、声を出したいんだけどドクターストップがかかってる。
そんなときはどうしたらいいか?
そういうときに限っては『ささやき声』というのを上手に使ったらいいです。
どういうことかというと、喉が悪くなっているときというのはみんな喉をかばって声をできるだけ出さないように息で喋るみたいなことをしますが、やってみるとわかるように、それだと意外にも喉や声帯に力がかかってしまうんです。
それよりは、いつもより声のトーンの落としてささやき声で話す方がずっと喉に負担がかかりません。
そして喉が悪いときに歌の練習をするときには派手にこの『ささやき声』『ウィスパリングボイス』を使うんです。
こんなふうに。
つまり、声を使うというより身体のほうの練習を先にやっておくというイメージです。
身体で歌を出せるように準備しておく。
これは意外と役に立ちます。
喉を守る方法というのはマスクだとか空気清浄器だとか加湿器だとかからはじまって、ある程度お薬を使う、またサプリメントを飲む、という方法もあるんですけど、意外と身体が硬くなってると治りが
悪いんです。
ですからそのために柔軟体操をやったりとか、お風呂に入って温まるとか(風邪ひいてそれができないときもありますけど)、それでももうどうしようもないときは、ふだん調子のいいときに『いざというときのセット』(ステロイドの濃いのとか)を1週間だけ耳鼻科の先生にあらかじめ頼んでおく、というのもひとつの手かもしれないですね。