声は腹から?全身から? 4.リズムトレーニング

歌っていて姿勢が崩れてくる人というのは、身体にねじれがあることが多いです。
どこらへんにねじれがあるかといったら、背骨にある人もいるし、なかには歯の噛み合わせ、咬合に問題がある人もいる。
ですから面白いのは、膝もそうですが股関節の歪みと同時に歯の噛みしめがうまくいっていない人がいることです。

発声法で、しっかり『アイウエオ』の母音を出そうと思ったらだらしなく口を開けていたのでは言葉にはなりません。
やっぱりひとつづつの音をはっきりいわなければなりません。
実はそのひとつひとつの音をはっきり発音するには「あー」と言い放つのではなくて、「あ。」と軽く噛んでほしいんです。
ちょうどリンゴをきゅ!と噛むときのあの感じでです。
その感じで軽く噛みながら歌詞の要所要所、歌詞のド頭の部分やリズムのオンビートしてる部分を意識して歌うと、発声が立ってきて、口の中の容積がひろがるから、響きが豊かになって歌に華やぎが出てきます。

さて、そういったときに口の噛みしめというか、口の開け閉めが上手にいってないとやはり歌は上手に歌えません。
そのとき、身体の歪みというのは意外とポイントになってくるんです。
咬合、噛みしめ、噛み合わせ、これとても大切です。
自分がどうなってるか知りたければ、時間のあるときに歯医者さんに行って一度診てもらったらいいです。

そういったことが身体にはいろいろ響いてきます。
ですから歌手には柔軟体操が必要なんです。
身体をやわらかくしてバランスよく左右がピタッと合うようにしておくこと、いつでもラクに身体が動くようにしておくと一番バランスのいい良い声が出しやすくなります。

それでこんな風に足を中心とした関節を上手に使えるようにしておくと、歌を歌うとき身体と声がバラバラにならずに気持ちよくリズムに乗って歌うことができます。

次は腰。ここはさっきの丹田の話に戻りますが、やっぱり腰がどーんと落ち着いてないと、足は腰の上に載ってますからお腹からのコントロールがうまくできないようになる。
けっきょくは肺のコントロールもできなくなります。

さあ、では腰のコントロールと足のコントロールを上手にやるにはどうしたらいいかといったら、先ほど話した「わざとバランスを崩してみる」って方法があります。
バランスを崩したらどう歌いにくいのか、ってことをまずは理解してほしいんです。
そこから自分のもっとも歌いやすいポイントを探っていきます。