声の筋トレって本当にあるの? 4.まとめと質疑応答
このプッシング法さえやっていればいつも声が瑞々しく保てるかといったらそうではありません。
先ほどもいったように横隔膜や肺が駄目になったら、やはりいい声は出にくいし、人間足から年を取る、なんていいますが、あまり歩かないで足腰が弱ったらお腹に力が入りにくくなって丹田の力も弱くなります。
つまり、いい声をつくるということは全身を鍛えるということだということで、これは皆さん忘れずに覚えておいてほしいです。
もちろん鍛えるということと同時に疲れた時は休息も必要です。
10代や20代の人が別に無理して腹筋運動したり腕立て伏せをやったりして余分な変な筋肉を作って、それで腹式呼吸をやってるつもり、喉をしっかり動かして筋トレやってるつもりになりますとかえって喉に変な力を入れてポリープや結節を作るようになることもあります。基本、歌の筋肉は、歌ってつけていくことだけで十分です。
いまやったプッシング法はあくまで60過ぎて声帯が痩せてきた方のための対処法なので、そうではなく普通に声が出る方には必要ありません。
つまりこれは例外のやり方だということです。
* 以下、質疑応答
Q1 プッシング法をやっているときは息は止まっていますか?
Q2 プッシング法をやっているとき、喉のあたりだけに力を感じるんですか?
Q3 これは嗄声の人のための対処法だとおっしゃいましたが、まだ若い40代の人が、高い声が出ないのでそれを出すためにやってもいいんでしょうか?
Q4 声帯が痩せて溝が入ると声が出にくくなるとおっしゃいましたが、体重が減っても声帯に溝が入るんですか?
Q5 こういう声帯の筋トレをしたり歌をいっぱい歌ったりすると首が痛くなってくるんですが、それはやり方が悪いんですか?
Q6 私はスタッカートで声の訓練をしているんですが、それもこのプッシング法のように声の若返りと通じてますか?
Q7 音域が広くなると、まんなかあたりの声が太くなってちょっと細い声を出したいなあ、というときに出しにくくなったりしませんか?
・・・以上の質問にDr.松永が答えています。