「自律神経が整う驚きの発声法」4.息は鼻から吸いましょう♪
浅い息をしてると血圧が上がって一気に交感神経優位になるからだめです。
深~い息で、お腹(丹田)出して、横隔膜下げて、肺を広げて、血圧下げて、鼻からスーっとたくさん息吸って、息たっぷりにゆったりと歌う。
そうやることで肺も広がって喉も下がるから、これは腹式呼吸とおなじ状態になってます。
喉が下がると声帯は全然ぶつからないから、声帯ポリープや声帯結節も作りませんし、非常に喉は楽、それでいて自分の声を聴いていると、すごくゆったりする。
とうぜん、それを聴いているお客さんもゆったりします。
こういう、ゆったりした息に歌をのせるというのは、お客さんだけでなく、実は自分自身の心と身体のコントロール、自律神経のバランスが整ってくるということなんですね。
でももし「わたしは歌なんか歌わないわ」という人がいらっしゃったら、さっきやった口からスーッと息を吐き続けるのをやるだけでもけっこうです。
自分の深呼吸のできる範囲で5回から10回、毎晩寝る前にやっていただけたら、お酒なんか飲まなくても安らかに寝つけるようになります。
そうすると、だんだんとバランスがとれてきて、イライラすることカッカすること、のぼせることが少なくなってくる。
めまい、立ちくらみ、頭痛、こういうのも減ってきます。
鼻から息を吸うのと口から息を吸うのと何が違うのか? といったら、口から吸うと間違いなく乾燥した空気がダイレクトに肺に入ってきます。そうしたらやっぱり風邪ひきやすくなったりとか喉も肺も乾燥しやすくなりますから、ヒリヒリしたり痛んだり、それこそ歌を歌う人にとっては喉が傷みやすくなる。
やっぱり息は鼻から吸っていただきたい。
鼻から息を吸う良さは何かというと、鼻の中に粘膜のヒダが3つづつあって、この粘膜のヒダの間を冷たい乾燥した空気が通る時に、体温で温まった粘膜のヒダを通るので、空気に温度と湿度が与えられることです。
それから昨今はPM2.5とか黄砂とか、いろんな大気汚染物質が混ざった汚い空気が飛んでますが、とりあえずそういったものも鼻から入れることで、鼻の中には鼻水がありますから、鼻水や線毛でその汚いゴミを絡め取って後から鼻汁や鼻くそで出すようにしてくれているので、それが喉の奥に入らないようになっています。
それで非常に調子がいい。
ところが、先ほど少し栄養のところでビタミンの話をしましたが、これがビタミンB,C,カルシウムだけでは足りないんですね、鉄も銅も亜鉛もセレンもモリブデンもカリウムもナトリウムも、全部いろいろ必要。
要するに、ビタミンとミネラル、この両方が必要。
ではここからは自律神経を整える前の段階『鼻呼吸をしましょう』ということについてお話ししましょう。
まず、鼻呼吸をするためには鼻の粘膜を良い状態にしておかねばなりません。
鼻の粘膜を良い状態にするには、鼻の粘膜が乾かないようにしなければならない、犬とおんなじです、わたしたちの鼻も。
鼻の粘膜を乾燥させずにしっとり湿ったいい状態にしておくためには、
①アレルギーのある人は、それをできるだけ鎮めることが必要。
アレルギーはないのだけれど鼻の粘膜が弱い、という人には大抵こういう病名が付きます。
②血管運動性鼻炎
これってなあに? というと、これは鼻の粘膜が過敏です、ということです。過敏、つまり弱いということです。
どうして弱くなっちゃうのか?
さっきもいいました、ビタミンとミネラルが今の日本の野菜とかには非常に不足しています。
ですから、このビタミン・ミネラルがたっぷり入ったいいお野菜、味の濃いお野菜を食べるとか、そういうお野菜が手に入らないなら身体に良いといわれるオイルを上手に使って炒めものにして毎日たっぷり食べるとかいうようなことを毎日やっていると、ビタミン・ミネラルが摂れるようになって、鼻の粘膜だけじゃない、目の粘膜、口の粘膜、喉の粘膜、とうぜんそういう身体の粘膜すべてがしっとりして良い状態になってきます。
そうすると、鼻から息が入りやすくなる。
ところが、鼻の穴って2つありますが、2つの鼻の穴のまんなかに壁がありますが、その壁がどっちかにグイーンと寄っている人、それを『鼻中隔湾曲症』といいます。
鼻中隔湾曲があるとどうなるの? というと、鼻からの息の通りがすごく悪くなっちゃいます。
これがあんまりひどくて息通りが悪いようでしたら耳鼻科の先生に相談していただいて、手術されてもいいのかな、と思います。
鼻通りがスカっと良くなっただけでやっぱり世界がすごく変わりますから。
ですので、まずはお鼻からしっかり息を吸う、そのときに肩を上げて浅い呼吸にならないように。ちょっとみんな手をポンと肩にのせてみてください。これで何気にかるーく深呼吸してほしいん
です。そのとき、自分の手がヒューっと上がってしまう人は大概肩に力が入っている、胸式呼吸をやってる人ですね。
だから肩にポンと手を置いて、もう片方の指で丹田を押さえて、お腹の指のほうだけがグイーンと前に出るようにして肩が上がらないという確認をしていただくと、ちゃんと丹田のほうの横隔膜が下がって、肺が下に広がって、自立神経が安定して、ゆったりとした息をしているわ、というふうに思っていただけると思います。