演技の基本、それは声です!4.真似の次には自分との比較
自分を理想とするイメージに近づけるにはいろいろな人の真似をするのがとても役に立つ、というのがここまでのお話でしたが、ひととおり真似をしたあと次にしてほしいのは自分との比較です。
歌を歌う場合だと、ここで大事になってくるのが譜面です。
でもそれより前にもっと大事なことがあります。
それは歌詞を朗読すること。
まず、歌詞を声に出して読んでください。
読むといってもボーっと読むんじゃなく、歌詞の裏にあるもの、背景を考えながら読んでください。
この歌詞にはどういうことが書いてあるのか、歌詞の世界観です。
わからないことが出てきたら調べるくらいのつもりできっちり歌詞を読み、解釈してみる。
歌詞の意味を知らずに歌うのと、よく理解して歌うのではおのずと出る声、歌い方が違ってきます。
歌詞をよく理解したら、その世界にふさわしい声がでるようになります。
よく、歌手には「喋るように歌え」といい、芝居をする人には「歌うように喋ろ」といいます。
それはどういうことかというと、役者が台詞を喋るときにそのことだけを意識してガチガチになるんじゃなくて、歌うように喋ろうとすることで立て板に水のごとく喋れる、歌手の場合だったら「さあ、歌うぞ!」とばかりに肩に力を
入れて歌うんじゃなくて、もっとリラックスして自然に話すように歌ったほうが観客に伝わるからです。