「自律神経が整う驚きの発声法」3.座ってやる横隔膜呼吸法
息を吸ったり吐いたりするときに、よく腹式呼吸の話とか発声方法とか、みなさんよくご存知だと思うんですが、息の支えというのがないと声がなかなか出にくい、ということがあります。
人間というのは、身体を動かすときにdこかを支点にしないと心も落ち着かないんです。
つまり、息が落ち着かない、ということは、心も落ち着かないということなんですね。
それでまっすぐ立った状態というのは、実は支えがとりにくい状態なんです。
そのかわり、気は流れやすくなります。
筋肉が曲がっているだけで神経がそこに集中するから、それが何もないまっすぐの状態は気が通りやすい。
では、まっすぐ立っているのが1番いい状態かといったら、自分の身体の中を落ち着かせて、いい気を吸って吐いて、自律神経を落ち着かせる、というようなときにはどこかに止めがほしいんですね。
その止めを作るために、座禅みたいに脚を組むわけです。
そうしたら下のほうはどん!として動かないから。
脚を組んでることで落ち着きが出るんです。
これが実は座禅と肉体の関係するところの法則なんですね。
「でも、わたしは座禅が苦手です」という方は、ふつうに椅子に座った状態でやってもかまいません。ただ椅子に座って脚を中途半端に組むようなのはやめてください。
では実際にやってみますね。
椅子にこのように座った状態で、お鼻から息を吸います。お鼻から息をするときのポイントは、まずここにおへそがあります。
へそから、よく指三本下などといわれますが、そこに『丹田』というものがあります。その丹田に両方の人差し指を当て、その指をお腹で押し返します。
その瞬間、横隔膜は下のほうに下りますから、横隔膜が下にあると肺がしっかり広がります。肺がしっかり広がると息がたくさん吸えますから、ハイ、ここで吸います! お鼻からスースースーと空気を吸って肺を広げて、さあ、肺はぱんぱんになりました。
ここで口をちょっとすぼめて「スー」といいます。
みなさん、ちょっとやってみましょうか。
スーーー・・・・、肩の力抜いて、はい、順番にお腹触っていきますから、この指を押し返してね。
はい、また息吸いましょう。
そのとき肩は上げない。肩上げずに丹田を前に出して、それで息吸います。そして吸ったらまた「スー」といいながら息を吐く。
それで、そのスーってやってるときに、自分の吐く息は目には見えませんが、自分の唇から出てる息に「色がついてる」と思ってやってみましょう。
まるで細ーい白い糸が自分の口から出ているようなイメージで、自分の向こうの向こうの向こうの方にスーッと白い糸がずっとつながって100メートル、200メートル、1キロ、10キロ、1万キロ先までつづいて、つながっていくような、そんなイメージでやります。
ハイ、いきますよ!
スーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!
はい。これね、まだまだこれだけじゃなくて次のコースに入っていくんですが、でも、これだけ5回か10回やるだけでもすっごく気持ちが安定するんです。
なんでか?
肺が広がると、肺の底の方には『圧受容器』というのがありまして、血圧のセンサーが付いてるんです。
ちょっと血圧が高くてイライラする人、キレやすい人がこれを5回ないし10回やったら肺が広がって血圧が安定する、って、そういうオマケ付きの身体です、わたしたち(笑)
ね、神さまがちゃんとそういう風に作ってくれはりました。
で、これやったらどうなるの?
といったら、実際に血圧を測ってみたらわかりますが、
●血圧が落ち着く。
●自律神経のバランスがよくなってくる
と、同時に、これを必死になってやりますと、以外にもカロリー消費につながって基礎代謝が上がるんです。
つまり、これだけでもダイエットになります。
そして、肺の状態もよくなり、背筋もピンと伸びますから、近頃話題のアンチエイジングにもいいことこのうえない、ということです。
次は、いまやったのに歌をのせていきます。
ですが、スーーーと息を吐きながらですから、ロックやパンクみたいな激しいのだと落ち着きません。童謡とか、カーペンターズの歌みたいな曲とか、そういうのんびりしたのをもってくると非常に心が落ち着いていいんですね。
さあ、それではそれをいっぺんやってみますね。
多少、音に抑揚がありますが『Day by Day』って曲があります。
それをたくさん息吸って、
Day by day, I’m falling more in love with you
And day by day, my love seems to grow ~♪
なんて感じで。
こんなふうにしてずーっとやっていくときに、まず糸のように吐く自分の息にその曲をのっけていけばいいのか、といったら、その通りなんです。
だけど、このパワーボイスセミナーの過去のYouTubeを見ていただくとわかるんですけど、「あいうえお」母音をきっちり発音する、ですとか、歌詞のひとつずつを大切に歌う、だとか、いろんなお話をしていますけれども、まずはそういうベースがあって、そこにさらにこのスーーーと流れるような、ずーっと出続けてる呼吸の上に音楽をのせていく、ということをすると、意外と音もここちよくお客さんに伝えることができるし、自分の耳にもここちのよい音が入ってくるんです。
そういった、ここちのいい音が自分の耳に入ってきますと、当然心も落ち着きます。