「ボイスチェック&ソングチェック」Part.9 5.(松永、声がでなかった自身の経験を語る)
では、いま言ったみたいな感じでハミングでやってみて。
ハイ!
Oさんハミングで歌う
オッケー。
じゃあ、いまくらいの感じと、さっきのご自身の朗読を思いだして「夜空が夕焼けを」とやってみて。
ふんふん、ではちょっと音のっけてもいいので朗読風にやってみて。
Oさん歌う。
イエーイ! かっこいいー!
どう? 楽ちゃう?
Oさん:楽です。
で、なんか嬉しくならへん?
Oさん:うれしいですね。
ねえ。(いまのは)あなたの歌です。
はい。ちょっとお勉強していただきました。
お疲れさん。
それ忘れないでね。
さあNさん、いきましょう~♪
まずハミングからいきましょう。
ハミングでやってみて。
Nさんハミングで歌う。
ああ、急によくなった。
ええよ、ええよ!
ええやないですか。
じゃあ、そこまでをゆっくりでいいですからいまの感じで
「さみしくてー」ってちょっとやってみて。
Nさん歌う。
オッケー。
じゃあ、それもうちょっとかっこよくしましょう。
もうちょっと。
できるから。
いや、すごくよくなったんよ。わかる?
Nさん:なんか声が出るようになってきた。
出てきたあ!
出てきたよ!
じゃあ、もういっぺんこの「さびしくて」に戻りますね。
この「さ」っていうときにまず「あ」っていってください。
そう。その「あ」っていうときにね、みんな「あ」「あ」
って(無意識に発音するから)音が外に拡散しちゃうんです。
でもやっぱりね、ある部分、音をきゅっとまとめてあげなく
きゃだめなんです。
そのまとめかたのひとつとしてね、「あ」っていったときに、
リンゴを齧る感じでかるく顎に力を入れて「あ」っていうの。
やってみて。「あ」「か」「さ」
・・・そうです。
でも息を飲むんじゃないの。
ここだけ間違えないでほしいんですよ。
息は飲まずに、歯をキュッと噛む感じ。
ちょっとOさん、やってみて。
そう、そうそう。
そのときってちょっとニコっとするのよ。
ここのほっぺが上がるってことさ。
Oさん「あ。」
そう。彼できた!
Nさん、やってみて。
Nさん「あ」
じゃあやっぱりあなたはあっちのほうがいいや。
「ふんがあ~」ってやったときの「が」ね、これを「ガ」じゃなくて(鼻濁音にして)「んが」ってやつですけど、「んが」ってできる?
Nさん「んが」
それそれ! んがあ~。
それじゃ「さびしくて」の「さ」でいきますね。
「んがあ」を「んさあ」でやってみましょう。
んさあ、さあ、びい、しい、くう、てえ、、、、、
そ!
それくらいのつもりで、きゅって噛むような感じに発声することで響きをだすんですけどね、実はこれいろんな意味合いがあるんです。それをひとつひとつ話してるとすごく長くなるんで割愛しますけど、その感じでこの出だし、「さびしくて~」といってみてください。
Nさん歌う。
はい、いいですよー
そのあたりでいいと思います。
まあ、でもね、最初の1時間前とくらべると非常に(声が)出るようになりまたね。
だからそれを忘れないようにしてほしいです。
「歌」っていうのは、やはりこうどっかを上げて、下げてとか、力を抜いてとか、まるで犬みたいにハッハッハッとやったりとか、「ふうん」ってやったりとか。ねっ、いろいろテクニックがあるんです。
でも、いちばんのテクニック、っていったらそれは、イメージに尽きるんですよ。
わたしがこの発声法っていうのを一生懸命やりだしたのはというと、実はわたしも昔々は歌がすごく下手だったんですよ。
もう声がスカっと出なかったんです。
「あー」って出したいのが、「あ゛~」ってやってたんです、ほんとに。なんかこうすごく(喉が)詰まっちゃってたの。
全然スカッといかなかった。
それをわたしの歌の先生、亀渕友香さんて方がおりましてね、いまでも活躍されてますけど、その先生についたのが19のときだったかな。で、それからずーっとその先生について習ってたんですけど、まーとにかくぜんぜん声出なかったんです。
でもちょっとづつちょっとづつ出るようになってきたときに、心が晴れたんです。
心が軽くなったんです。
ああ、そうか、って。(そのとき思いました。)
人間、声が出ない、何かそういう筋肉の動きをしていると、これは心がすっきりしない。
それどころか頭もすっきりしないんですよ。
そういうことが世の中にあるんだなと思ったのが、わたしが声をちゃんと出す、発声法との出会い、ってやつでしたね。
まあほんとに、37年前のことですかね。
そんなくらい前のことになります。
それで、40年近くこんなことやってるんですけれども、その40年間のあいだに自分もずいぶんと勉強したおかげで他人様にまあ、なんとか教えてさしあげられるようになってきました。
で、そのひとつがこのパワーボイスでお伝えしていることなんです。
ハイ、まあそんなことで、今日も楽しく素敵なセミナーをさせていただいたことをお二人に感謝します。
どうもありがとうございました。