「発声力で賢くなる方法」3.音のエネルギー
音とは、空気を振動させて三次元的に広がった音の波。
音は空気の波。
何もないところに波は立たないので波が立つにはエネルギーが必要。
それで、一番いいエネルギーが一番いい音の波作って、それがみんなの音になるのだけれど、そのエネルギーを深くたっぷり相手にお届けするといい感じに伝わるし、またもうひとつあるのはこの音の波は自分の耳、自分の脳にも入ってきます。
たとえば誰かに向かって社交辞令的に心にもないことを口先だけで喋っているとき、喋っている声と言葉と心の中は真逆の状態です。
いちおう言葉として成り立っていても、そういうことを何十年にも渡ってやっていると、いずれそういう人の言葉は相手にも口先だけだとわかってしまいます。
なぜわかるのかというと、エネルギーにズレがあるからです。
思っていることと言ってることのズレが出てくると、エネルギーは反発しあって、たいして相手には伝わりません。
たとえそれがホワイトライ(white lie:善意のウソ)、相手を思いやってのウソだとしても、人間って真実じゃないことを言ってると疲れるでしょ。
・・・・・・人間にはそういうところがあります。
たとえばウソをつきながら、本当はぜんぜん役に立たない薬を効くといって出して治ったように思わせといて、それでたくさんのお金がもらえたとして、お金がもらえるからそのときはうれしいかもしれないけれど、偽物を売ってお金がもらえるちうのと、たいしてお金は儲からないけど、本物をお客様にお渡しして、すごく喜んでもらえて、その喜んでいるお顔を拝見したり、感謝のお礼を言われたりしたときに生じるうれしさのフィードバックというものは、お互い、双方にとって、すごくいいエネルギーの潤滑になります。
そういったエネルギーの潤滑を音エネルギーというものは実現してくれます。
大きくて深い音エネルギーを相手に、そして自分に提供しつづけることで、そのエネルギーはどんどんふくらんでくるんです。
ですから先ほどお話ししたように、なかなか素直に「よかった」「ありがとう」と言えなかった人でも、いい音と感謝のフィードバックの経験が溜まってくると、歪んでいた方眼用紙(フォーマット)がだんだんとまっすぐになってきて、脳みその中もすっきり整頓されてきます。
そしてここからがとても大事なところですが、脳みそがすっきり整頓されると、脳みその中の言葉の配置もよくなります。
そして言葉だけじゃない、言葉を操ってものを考える、その考え方も整理整頓されてきます。