感動を与える発声法 2.人はミラーニューロンで生きている♪
人間の脳の中には『ミラーニューロン』という神経があって、たとえば他人が自分の方を向いたとすると、その瞬間にその他人の視線を含め意識というものを受けとって、できるだけその意識を返そうとする神経のことです。
それがなんと不思議なことに、音楽をやっている方がある種のいい音楽を聴くと、ご自身の身体の主に自律神経系なんですが、副交感神経が優位になって、リラックスしていい気持ちになったりします。
その逆でマーチとか軍歌とか、あるいはロックとか、すごく刺激的な音楽を聴くと交感神経が優位になって気が立ってきます。
つまり音楽にも神経を緊張させる交感神経優位の音楽と、リラックスさせる副交感神経優位になる音楽と、それらがないまぜになった音楽があるということです。
ところが先ほど私がやったようなパフォーマンスは、そのどちらにも入らない、ただ苦しさが伝わっていくだけのパフォーマンスです。
つまり、感動は伝わらなかったけど嫌な思いだけは伝わったわけです。
さ、そうしたら感動を伝えたかったらどうしたらいいのか?
・・・自分が感動している状況を再現したらいいんです。
難しいですよね?
実際むずかしいです。
でも、思いだしてみてください。
自分はどういう歌を聴いたときに感動したのか?
ピッチが外れていない、ピッチがちゃんと乗った音を聴いたとき、そして歌詞がきちんと発声されて伝わってきたとき、リズムに乗った音楽を聴いたとき・・・・・・
その自分がいちばん感動したときのパフォーマンスを自分の中からひねり出してみてください。