「人前であがらずに喋って、歌うために」3.何より大事なのは『いいハート♡ 』
その場の雰囲気というのは毎回ちがうし、これについては最初の時点では自分ではどうすることもできないものですね。
そういうなかで、残念ながらあまり練習のできていない歌を歌うというのはキツイものがあります。
でも歌詞についてだけいうと、これはもう歌ったもん勝ちです。
とくに誰もが知ってる歌謡曲のような歌でもない限り、たとえばジャズの英語の歌詞だったりするような場合だと、少々あなたが歌詞を間違えて歌ったところでみんなにはわからない。
ですから、そういう急場のときは、とりあえずわかるところを歌う、とりあえず歌ってしまうというのがすごく便利だったりします。
それはどうしてかというと、これもまた今日の歌の根本的なところの話をしますが、声を出して歌を歌うといったときに、歌は一人で歌っているわけじゃないです。
いくら自分がいっしょうけんめい歌っていても、聴いてくれる人がいなければ話にならない。
歌う、ということは、これは歌によらず人前で何かをするときはなんでもそうですが、ここで何かをしてみんなとつながる、っていうのがパフォーマンスです。これが舞台の基本。
ですから、さっきもいいましたように、舞台に上がったらみんなとつながるためにまず大きな声を出す。
そして、その次には『いい声で、いい歌を歌う』ということももちろん、いいことなんですけれども、「いいハートで何かする」ということのほうがもっと大切です。
いいハートって何?
みんなを喜ばせたい、みんなに楽しんでほしい、という気持ちですね。それが1番大切です。
だから、たとえ10歳の子供が歌の歌詞の意味をよくわからずに歌っていたとしてもそれが一生懸命なら人はその一生懸命さに打たれるし、それが楽しいパフォーマンスだったら見ているうちに自分まで楽しくなります。それが人間です。
ですから、まず最初に大きな声を出してみんなとつながる、そしてサービス精神いっぱいで一生懸命歌を歌うと、それを見ていた人はいいなと思ってしまう。
だからたとえ歌詞を忘れてしまっても、初めての歌でも、とにかく何か伝える、何かがんばって伝えようとわーっと声出すと、あるていど伝わっちゃうんです。
だけど、伝え方ってある。
それはどうしたらいいのかっていうのは、次の話に移っていきます。