自分の舞台を観客に伝える方法 No9.お客様の分を残しておく
基準となる自分のゼロの声がわかるようになると、冷静な演技をすることがすごく上手になります。
たとえ嫌なお客が来ても、自分の声を聴きながらやっていればプッツンしないですむ。
こういうことをやることを、精神医学の領域では『認知療法』といいます。
舞台の上で頭にいろいろなことを思い浮かべて思い悩むから演技に没頭できなくなる。
そんなときのために、ふだんの暮らしのなかで思い悩んだときには悩んでいる自分をいちいち実況中継してみるといい。
やってみるとわかるけれど、実況中継していると悩む暇がなくなります。
そして、そんな自分を上から冷静に俯瞰している自分が見えてくる。
これをメタ認知といったりしますが、耳鼻咽喉科的にいうと『自分の声を聴く』ということです。
そして冷静に自分の演技をやって、自分のできるとこはここまで、となったらあとはお客さんにまかせること。それ以上に欲を出して自分の我を出すと、お客さんが感じる余地がなくなって返ってうるさがられます。