ボイスチェック、ソングチェック Part5 エントリー№1.海風はレガート
第29回のセミナーは、他の参加者の歌とレッスンを聴くことで客観的に自分の歌を見つめ直す良い機会になったと毎回ご好評をいただいている「ヴォイスチェック、ソングチェック」の回です。
これまでと同じく今回も皆さんの歌を聴かせていただきながら良いところと直したほうが良い点を指摘し、どうしたらいまよりもっと楽に声が出せるのか、喉をつぶさないように発声するには腹筋や横隔膜をどう動かしたらいいのか、また肩を上げないように歌うにはどうすればよいのか、などについて具体的にお話ししていきます。
ではまず1番の方、どうぞ!
まずお歌を歌う、っていうのと発声ってのは全然ちがうんですね。
発声は「あー!」とか「うー!」とか。
でも歌にはだいたいにおいてたいてい歌詞の言葉がある。
では歌詞を歌うのは何のためだと思います?
言葉を伝える?!
歌は言葉を使うけど、でも言葉を伝たいわけじゃないですよね?
『ドラマ』を伝えたいんです。
ここを間違えちゃう人が多いんですが、言葉を伝えることに一生懸命になってしまう人が多い。
でもドラマが伝わらなければ話にならない。
それにはまず緊張しすぎるとドラマが生まれくくなっちゃうんです。
人前で歌を歌うときは、皆さんに対してできるだけ自分が開かれてリラックスしたいい状態でやらないと、なかなかいいお芝居が見せられないんです。
ですからほんとにゆったりした状態で歌の情景をぜんぶ抱きかかえてパン!と自分がその情景の中にいると思えば、あとは勝手に、自分が何度も何度も歌ってきた歌詞が自然に口をついて出てきたら、それはみんなにも伝わります。
人を楽しまそうと思って歌を歌うときには、まず自分が楽しくないとみんなも楽しくなりません。
ですから最初にいったように、言葉を伝えるんじゃありませんよ、ドラマを伝えてね、ということです。
でもあんまり声を伝えようとすると、声がビビってきて伸びやかさがなくなっちゃうの。それが今日の課題です。
ではまず、歌詞からメロディーもリズムもはずしてやってみてください。
きっちり歌わなくていいから、情景をしっかり自分のなかに膨らませて私に歌詞を言ってみてください。