「わかりやすいセミナー、授業の発声法」3.話すスピードでエネルギーのバランスをとる

『セミナーのコツ』のような本を読むと、意外と「お話をするすときにはあまり大きぎる声じゃなく、ゆっくり話すのがいいです」と書いてあります。
それは本当です。
でも、だからってずーっとゆっくり小さな声で喋られたら、それこそ眠気が襲ってきちゃいますよね。
そこでみんなに寝ていただかないようにするにはどうしたらいいかといったら、これも「刺激」なんですよ。
これは私のやり方ですけれどもダーッと喋る、ドーっと喋る、これはエネルギーです。
人間って、相手にエネルギー持って喋られたら「う~ん」って思っちゃうじゃないですか。

ひとつの仕事をなすときには必ずエネルギーが必要ですが、セミナー、授業、プレゼンで1番何をエネルギーに替えていったらいいのかといったら、やっぱりそれは声なんです。
声、話すスピード。
早い話し方っていうのにはやはりエネルギーが出てきます。
ところが、エネルギエネルギエネルギーで押されると人は「もういい、わかった。あんたそんなにエネルギー入れて話してるけど何がいいたいの?」
っていったときに、さっき話した『間』がでてきます。
そこで、ぽん! と、ちょっとひと呼吸吸置く。
で、けっきょく私が何がいいたいのかというと、ゆっくり話をするのも、早く話をするのも、早く話をしている部分があるからゆっくりが生きる!
と、そういう話です。

要するに、話のスピードでエネルギーのバランスをとる。
そのときに、緩急自在に話していただきたいんですけど、ゆっくり話すところに、人の耳を傾けさせたかったら、ときどき頑張って大きな声で早めに喋る、というのが必要です。

それも最初にいったように、自分の心が定まっていないと、つまりふだんから人に何かを伝えようといったときに伝えたいものを持ってないと話ってできないんですね。
私だっていつも人にこういうことを人様に喋らせていただいたり、書いたりしてるからいまここでぽんと喋れるんですけれども、やはり新しくプロジェクトに関わってプレゼンをするですとか、そんなに慣れていないけれど人様に伝える必要が出てきて授業をするとかいったときには、自分でそれこそシャドーボクシングじゃないですけれども、シャドーセミナーのようなものを自分で練習する必要が出てきます。

どういう練習が必要なのかというと、こういうレジュメを読みながらでもいいんですが、やっぱり自分で目の前に誰か喋りたい人がいて、その人にどういうふうにして伝えようかというようなこと、これをやっぱりやっとかないと、なかなか口っていうのは回ってきてくれません。
お陰様で私は一日だいたい100人くらいの患者さんを診させていただいて、だいたい1人少なくとも3分くらいは喋りまくっているわけです。
つまり300分は喋っています。5時間喋りまくりです。
で、そういうなかで、いま皆さんにお話ししている話し方についてのことが必要に応じて出てくるわけです。

①心が定まると声が定まり、お客さんは安心
②ストーリーで、心と頭に刺激を与える③話のスピードでエネルギーのバランスをとる

この1番2番めまではどんな人でも、慣れ親しんだネタがあろうがなかろうが、お話をする基本ですから1番2番はすぐできる。
でも3番めを支える問題として必要になってくるのは、

3’ 話、ストーリーを自分のものしにておく

ということです。極端な話、100回話せ、ということです。
100回話したら、最初はあんとなくまどろっこしい話し方をしていた人でも徐々にいらないところが削られてきて、またいいところがくっついてきて、すごく人様に伝えやすい、また喋ってる自分も納得がいくわかりやすい話になってきます。
で、こういうことを本当にやらないと、話を長くしたり短くしたり、スピードを上げたり下げたり、大きな声にしたり小さな声にしたり、という、そういう技も使えなくなります。

それで、最低これだけ押さえていただくだけでも、人は「なるほど」というんで寝ずに見てくれるようになります。