年のせいで歌えない? 2.50歳からのケア
人間、ある程度の年までは上り調子で行くわけですが、あるところに達すると横ばいになり、またあるところから下がってきます。
では、どのくらいの年齢まで歌を歌っていけるのかといったら、ふつうに考えて、ふだんから歌うことが好きでよく歌ってらっしゃる方だったら、50くらいまでは声って出るもんです。
ところが50歳くらいになりますと、身体にガタも出てきます。
ですから身体全体のケアもしなければならないのですが、とくに喉のバランスをとるにはどうやってやっていったらいいのか、というお話です。
大体人間の元気度、免疫力が高いピークは20歳くらいで、それがつづくのは35歳くらいまでです。
40歳で70%。
50歳で60%まで減ります。
年をとったら歌えない、ということではけしてないのですが、やっぱり声と年齢は関係しています。
この中でもいちばん考えなきゃならないのは『50』という数字です。
女性だと非常にわかりやすいと思うのですが、更年期障害が出てくる年です。
だいたい女性は50歳くらいになるとあきらかにぐーんと女性ホルモンの出が悪くなり、うるおいというものが少なくなってきます。
とにかく乾く。
目じりにシワができるくらいだったらまだいいのですが、歌を歌われる方にとって声が出にくくなるというのは、とてもつらいことです。
声がカサカサしちゃいますから。
では足りなくなった女性ホルモンを入れればいいんじゃないかという話ですが、副作用を気にされる方もいらっしゃいますから、そういう方に私がおすすめしているのは漢方薬です。
更年期障害に効く漢方薬はいろいろあります。
これはぜひお医者さんに出してもらってください。
当帰芍薬散
女神散
男性にも女性にも使える喉の乾きには、
麦門冬湯
なんていうのもある。
こういったものを使うと、お咽喉はしっとりしてくるかと思います。
それから1型コラーゲンを摂るのもいい。
質のいいコラーゲンは身体の細胞内の繊維芽細胞を刺激して、繊維芽細
胞の成長を促し、自分の中のコラーゲンを活性化してくれます。
そういうかたちで、50を過ぎて声が出にくくなった方は対応していくことができます。
男性は女性みたいに50過ぎたらドーンと急激にホルモンが減るわけではありませんが、それでもじわじわとは減ってきます。
男性の場合はもし50過ぎて肌のはりツヤがなくなってきたとか、最近なんだか痩せたような気がする、といったようなことがあるとしたら、それは男性ホルモンが出がすごく悪くなってきて、あたらしい筋肉を作りにくくなってきた、ということが考えられます。
その対処法として私がおすすめするのは運動療法です。
運動療法をすることで何が良いのかというと、運動すると成長ホルモンというのが出てきます。
これは筋肉も作ってくれるし、細胞の瑞々しさや保水能力のアップを促してくれます。
運動をすることで筋肉は鍛えられる、とうぜん余分な脂肪は燃えやすくなる、太りにくくなる、といいことばかりなので、男性にはとくに筋トレなどをおすすめします。