声に良い飲みもの食べもの、悪いもの。4.水より必要なのは唾液

口を潤すのために水は必要ですが、それ以上に必要なのは唾液です。
唾液の中には消化酵素があります。
胃や腸からは出ることのない唾独特の酵素もありますし、パロチンといって別名、若返りホルモンなどとも呼ばれているホルモンも入っています。
それはお肌をツルツルにしてくれるホルモンなので、いつまでも美しくありたいと思う人は食べものをよく噛んで食べたらいいです。

チューインガムを噛むのもいいけれど、ごはんを食べるときはひと口30回はよく噛むようにしてください。
そうやってモグモグゆっくり咀嚼することは、よく唾液が出て喉の健康にいいばかりでなく、脳に満腹信号を送って食べ過ぎを防げるので、太らなくなる。
ダイエットになります。

現代人は忙しすぎていつもイライラしています。
それでいつも忙しくガツガツ早食いしていると、自分が満腹になったかどうかもわからずについ食べすぎてしまいます。

よく噛んで食べることで自分の適量を身体が教えてくれる。
実は私も昔、親父の看病などでストレスが溜まっていたときに、1日3食のほかに毎日菓子パンを6つは食べていて、それで83キロまで太ってしまったんですが、さすがにそのときはデブデブで、困ったなー! と思って、それで思いきって甘いものを食べるのをやめ、牛豚を食べるのをやめ、ひと口50回をはじめたんです。
そうしたら4ヶ月で16キロ痩せられました。ですから、人間にはそういう性質があるんです。

では次に、のどあめはどうか?
単発にはいいです。
つまり、喉が痛いときにちょっとなめるくらいならいい。
でもそれをしょっちゅうやっていると、お砂糖がよくない。
砂糖は口を乾かします。
それに砂糖は身体を冷やす。
炎症も増やします。
とくに白砂糖はだめ。

ではアルコールはどうかといったら、歌う前にちょっとアルコールを飲むと歌いやすくなる、ということはあります。
先ほどいったように声帯は2枚の粘膜のヒダなので、乾燥していると音が鳴りにくい。少ししっとりしていてぽってりしているほうが、声が出やすくないます。
そこで水をちょっと飲むのもよいけれど、お酒を飲んで血流を上げて喉を無理に充血させてちょっと腫らす、実はこれは声の鳴りは瞬間よくなります。

でもそういうことを年じゅうやっていると喉も乾いてきます。
お酒はお茶以上、カフェイン以上に利尿効果がある飲みものです。
ビールをがんがん飲んだらトイレに行きたくなると思いますが、アルコールは胃から腸から吸収されるので、どれだけ飲んでもお腹がチャポチャポすることはない。
そのかわり飲んだ後は身体が乾く、翌日は顔がむくみます。

なぜ利尿効果が高いのに顔がむくむかといったら、利尿剤というのは血管、血液から水分を引っぱってきます。
そうすると血管はどんどん水分を失ってカラカラになり、びっくりした身体はこのままではマズイ! と判断して血液の少ない場所、顔の真下とか脛とか指先とかに水分を溜めるんです。
それが、むくみの原因です。