声に良い飲みもの食べもの、悪いもの。5.緊急時に飲むといい漢方薬

アルコールは喉に悪い飲みものです。
ですからアルコールをたくさん飲んだときは、あまり喋ったり歌い過ぎないようにする。
お酒を飲んでのカラオケなんていうのは、喉にいちばん厳しいです。
アルコールが入っているときには必ずチェイサーを飲む。
水を飲みながらだったら悪酔いもしないし、身体のしんどさもマシになる。

ここまでが、基本は水が一番いいんだよ、カフェインもアルコールもあまりよくないんだよ、というお話でしたが、では、ふだん皆さんが家にいて喉の調子が悪くて医者に行く時間もなく、これからコンサートで歌わなきゃならない、というようなときにはどうしたらいいかというお話です。

そういうときは薬局に飛び込んで漢方薬を買ってください。
その漢方薬の中でいちばん使えるのが『麦門冬湯』(ばくもんどうとう)です。
最後に『湯』ってありますが、大概の漢方薬が主に乾燥した植物をお湯で煮出してそのエキスを飲むというものが多いので、漢方薬を飲むときはお湯に溶かして飲んでください。
症状がひどいときは、用法に書いてある適量の倍飲んでもいいです。これが効く。

それから『桔梗湯』(ききょうとう)もいいです。
どちらも喉の炎症を下げてくれるので、ふつうに薬局で買える漢方薬の中ではこれがNo.1、No.2です。
ほかに肩こりや風邪の症状があるときは『葛根湯』でもいいんですが、喉だけ悪いときはこの2つがいい。

それでは薬局に行って「喉が悪いんです」といって勧められる漢方薬があります。
『響声破笛丸』(きょうせいはてきがん)といって、丸薬なので水に溶かさなくていいものなんですが、はっきりいってこれを飲んで効いた、というのを聞いたことがことがありません。
なので私はお勧めしません。

さあ、ここまできたら、あとは唾を出すしかありません。
これはあくまでエマージェンシーのときですが、シナールとかビタミンCの錠剤をガリガリ噛んで摂るんです。
すると酸っぱいので唾が出るんですよ。
宣伝するつもりはありませんが、世の中に意外と噛んで食べるビタミンCがなかったので私が開発したのがこれです。
一粒で1000㎎のビタミンCが入ってます。
喉が悪いときには、このような酸っぱいものを摂ってたくさん唾を出すのが効果的です。

ざっくり言って身体にいいものというのは喉にもいいですが、特に身体に良いもの悪いものということより、トータルバランスでいって、身体にいいものをバランスよく食べることが大事。
そのなかでやっぱり良くないのはアルコールやお砂糖、この2つ喉に悪いだけじゃなくて、アレルギーなど、ありとあらゆる病気をひどくします。免疫も落ちてしまう。

そして何が悪いって、最悪なのがタバコです。
誰がなんと言おうとタバコ吸ってて美声の持ち主にはなれない。
煙を吸っていると煙で燻されて喉や鼻が乾燥するんです。
タバコであろうがネオシーダーであろうが喉を燻しているのは一緒です。
咽頭がんの原因になります。