「もっともシンプルな音楽療法を学ぶには?」2.人それぞれ、固有の周波数

子どもをあやすとき、人に喜んでもらうとき、人にいい気持になってもらうときには、ただやさしい声を出していればいいというわけではありません。
それがまさしく固有周波数なんですね。
Aさん、Bさん、Cさんといたら、声は十人十色です。
十人の人がいたら十人のための周波数、というのがあります。
それもAさんに対して松永が言う、Aさんに対して宮本が言う、Aさんに対して田中さんが言うとき、みなさんそれぞれの方が声かけるときに、その新しい人間関係において最も適した周波数というのがあるんですね。

日々、私たちが経験というものをして、いろんな場所でいろんな人とやりとりするなかで、あ、いまこう言ったらこの人にっこりしてくれた、こう言ったらなんだか知らないけどこの人イヤな顔した、というひとつひとつの経験を全部溜め込んで、いちばん相手の人に響く声を私たちは探しながら実はやっているんですね。

『相手の心に響く声』というのが、最もシンプルで効果的な音楽療法の基礎ですね。
これになるように目指す。

だって、どんなにエラそうなことを言ったって、いくらたいそうなことを言ったって、相手が聞いてくれなければ話になりません。
それに聞くといっても、耳で聞いてるだけじゃお話にならない。
その人の心が聞いてくれなければ話にならない。
では、心ってどこにあると思いますか?
・・・・・
当たりです!
いま「心は全身にある」とおっしゃってくださいましたけれど、そのとおりなんです、実は。
これはまだ現代医学では証明はされていません。
ただ面白いことに、心臓の移植手術とか肝臓の移植手術とか、いまいろんなところで移植手術というのがされてます。
その移植手術というのをやると、不思議なことにいままで嫌いだったものが食べられるようになったり、逆にいままで大好きだったものがあまりほしくなくなったり、夢の中でぜんぜん会ったことのない人に頻繁に会うことが増えてきた。というような、他人の記憶が自分の中に入ってくる、ということを経験する人が少なくありません。

腎臓には腎臓の固有周波数、心臓には心臓の、胃には胃の、それぞれの場所にはそれぞれの固有周波数ってのがあったときに、(声を)脳にだけ響かせたってあかへん。
いくら脳に響いたからってほかの部分に響いてなければやっぱりそれは届かない。
ですから『相手の心に響く』というこの文章は、実はけっこう深いセンテンスなんですけれども、その心ってどこにあるの、といったときに、頭だけ心臓だけ耳だけ、じゃなくて、身体のすべてに響く声、だけどあえてフォーカスするなら、心の、このあたりにいい声、というような、そういう声を出していくといいよ、ってことです。

人間の身体のいろんな場所に固有周波数というのを持った『心』があって、その心に言い聞かせてあげるような、そういうような声を探しつつ人に声をかけてあげる、というのが、最もシンプルで効果的な音楽療法だといえるということです。