演技の基本、それは声です!1.一声、二姿、三面

声というのは、端的に言うと喉の中にある声帯を、肺から出てくる空気で震わせて、その振動を音に替えているのが声なわけです。

ですから、その空気の力が弱いと「あー」と声を出しても弱く小さな声になってしまう。
逆に、大きければいいとばかりに無理に大きな声を出せば声帯が傷つくばかりでいい声にはならない。

しっかりしたメソッドにのっとって、はっきりした大きな声を相手に投げることが必要ですが、それ以上にまず1番に相手のこころに届かないことには、これはぜんぜん声の意味合いを持たない。

コミュニケーション、会話、人と繋がるということ。
そういう意味において、しっかり自分の思いや伝えたいことが相手に伝わって初めて会話たりえる。

そういうことができるだけの「声に力を与えましょう」というのが、今回のテーマです。

昔から歌舞伎の世界では『一声、二姿、三面』といって、まず舞台に上がるものは、姿よりも顔よりも声が良くなきゃいけない、といわれていたんですね。

それだけ声の力は大きい、声には伝える力があるということだと思います。