「ボイスチェック、ソングチェック」Part 9 /3.曲のド頭の発声のコツ
それで、ゆっくりでいいです。
ごめんなさい、こんどまたアカペラでやってもらうんですけど、
I’ll sing to the sun in the sky っていうのを
最初だけ飲む感じでやってみて。どうぞ。
Bさん歌う
オッケーです!
じゃ、こんどね、ポイント。
この黒いオルフェの曲のド頭の口の形。
これがひとつのポイントでした。
もうひとつはね、やっぱりこれは日本語の歌もそうだし、
ほかの外国語でもそうなんですけど、
歌を歌うとき母音って大切なんです。
じゃあ、この中で母音は何か。
まず、I’l のアイ、ルは子音ですね。
sing のシィーングのィが入ってるんですね。
そして to 、トゥー。
the 、ダァ
sun 、サァン、、、
それぞれの単語に1個ずつこれ母音が入ってます。
でね、この母音を意識して、これはもう歌わなくていいです。
アイル、シィーーング、トゥー、ダァ、サァーン って
一個ずつの母音を誇張して言ってみて。
アーイル
シィーング
トゥー
ダァー
サァーン
って。でもね、サンってやらないでほしいの。
サァーーン、イーーング、ダァー、スカァーイって。
というのわね、ひとつ覚えていてほしいのは、実はさっきの日本語は
ラクだってことなんですけど、英語のほうが難しいの。
この、アーーーーイル って、音の流れ。
長さがあるんです。
アイル! じゃないんです。
I’ll っていうのは、I will の省略形なんですけども発音だと
アイル、になるわけですね。ごめんね、発音記号わたしすぐにわかんない
ですけど、a.i.l みたいな感じですね。
で、アイルはアーにも長さがある、イーにもちょっと長さがある、
ルだけ、これだけ長さがない。
そのあたり、母音の長さも意識してやってみてください。
Bさん、やる
そう!
そういうことなんです。
だからさっきの浜千鳥でやるとしたらさ、
あーーーおーーーいーーーつーーきーーよのーーーって
母音はずっとつながってるよ、っていうの。
だからそういう意味では日本語のほうがラクかな。
で、そのいまの母音の長さをしっかりとる、
この譜面に書いてあるようにね。
タンターーーーンタターターン タンタンターーーーン
っていうふうに、ちゃんとこの譜面の音符の長さをキープするようにして
歌ってほしい! ってこと。
ちょっとそれで歌うてみてください。
はい、どうぞ。
I’ll sing to the sun in the sky
はい。だからね、そういうふうにして歌うと、
意外と短い1曲の歌のワンフレーズめのたかだかこんな4小節、
の中でも時間って実はたっぷりある。
で、そのたっぷりを上手に感じて使えへんと、ビートいうのが
出てけえへんねん。
で、それができてくるとこれボサノヴァで乗ってくるねん。
そんな感じで、ゆっくりめでけっこうです。
ご自身なりにちょっとやってみてください。どうぞ。
Bさん、歌う。
うん。そんな感じですね。
で、さあ、じゃもうちょっと何がこう足りないかというと
やっぱり、息が落ちきってないっていうのがあるんですね。
あの、腹式呼吸が上手にできてないってところがあります。
おへそどこにありますか?
これ基本ですからね。
わたし指でぽんと押さえました。
これでお腹をグイって出してください。
だしながら、ゆっくりでいいです。
I’ll sing to the sun in the sky
って感じで、さっきの母音のときのように母音を区切って
わたしの指を押し返すみたいに発声してみて。
そうそう。
ちょっとここ持っていただけます?
I’ll sing to the sun in the sky
って、最初ポコポコだしてたらいいんですけど、
だんだん慣れてきたら、I’ll sing to the sun ~ in the sky ~
ってワンフレーズをずーっと出しっぱなし。
そうするとね、声がビビらなくなるんです。
ちょっとやってみてください。
はい、どうぞ!
Bさん、歌う
おお! そうそう、そんな感じ!
ちょっとラクでしょ?
うん、ラクですね。
じゃあ、こんどは短めでいいですよ、そんなに引っぱらんでも。
次のフレーズいきましょう。どうぞ。
I’ll sing till the sun rises high ~
そうそう、そんな感じ。
Carnival time is here ~
Magical time of year ~
オッケー。止めます。
そこでね、カーニバルの val バアルも母音なんですけれども
やっぱりね、母音が弱くなると音のつづきがそこでばすん!と
切れてるんです、実は。
だから、Carnival time is here ~ のところのカーニーヴァル
のヴァールのところが息抜けちゃってるんですね。
そこをまたお腹をぐいっとせりださせるイメージで、
カニーヴァール・ターイムイズヒィアー ってやっとくと
もうちょっと音の流れが出てきますわ。
そんな感じでもう一回最初からやってみて。
はい、どうぞ。
Bさん、最初から歌う
ハイ、1個ずつの母音を前に出してってね。
そうですそうです。はい。
イエーイ! パチパチパチ・・・
ラクになりました。
なったでしょ!
それで慣れてきたらもうちょっと全般に力ぬいてもいいんですよ。
これは練習やから。
はい、じゃ黒いオルフェ、休憩です!