「自分の声で頭の疲れを取る方法」1.脳疲労って何?

「自分の声で頭の疲れを取る方法」
“自分を癒す発声法って、脳疲労を取る発声法って?”

あーあ、身体の疲れが取れないなあ、そんなにハードなこともしてないのに、、、
と現代人なら週に1度や2度は感じられることがあるのでは?
でも、本当に体はそんなに疲れているのでしょうか?
実は身体の疲れは少しであって、その疲れのほとんどは脳の疲れ、脳疲労だという
ことをご存知でしょうか。
ならば脳にマッサージ? 
頭に手を突っ込んでマッサージをするのは難しいのですが、いい声を流し込んで
マッサージしてあげるのにはいろんな効果があるんです。
何をしても疲れが取れない、とおっしゃる方、
今回のセミナー動画を見て、ぜひ試してみてください。
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さて今回、『自分の声で頭の疲れをとる方法』というのがあります。
これ、どういうお話かといいますと、実は『脳疲労』という、そういう概念の
お話になります。
脳疲労って何か。
たとえば1週間、一生懸命スポーツをした。
朝から晩までプールで泳いだ。
それで1週間たった後はみんな身体がフラフラになるわけです。
でも、それだけ身体を使っていると、意外と脳の疲れはそんなになかったりします。
では、脳疲労ってどんな感じか。
この『脳疲労』という概念を最初の頃におっしゃったのは、九州大学のいま名誉教授
やってらっしゃいます藤野先生という方で、わたしも多少お近づきにさせていただいた
ことがあるんですけれども、この先生は糖尿病の権威です。

糖尿病ってご存知ですか?
そうです、糖、尿ってだけあって、おしっこからお砂糖が出ちゃう。
せっかく食べたいろんな栄養分が身体の細胞に吸収されずに、そのままおしっこから
出ていっちゃう。もったいないですよね。
それで、もったいないだけならまだいいんですけど、要するに自分の身体で使わなくては
ならない栄養が全然、自分の身体の中に入らずに、ほんとにそのまま外に出いってしまう
という、すごく危険な状態、それが糖尿病なんですね。

で、その糖尿病のことを先生は一生懸命研究してらっしゃいまして、糖尿病になる人には
どういう共通点があるのか、ということを検証してみたところ、まず、おいしいものが大
好き、甘いものですとか、お酒ですとか、こうクリームがベタっとついた菓子パンですとか、
真夜中のラーメンとか、そういうのがお好きな方がけっこう糖尿病への道をひた走る、、、
行っちゃうわけですね。
で、それはよくない。
そこで大体の医者は言います。
「君、そんなにお酒飲んでたらイカンよ」と。
「あなた。そんなに甘いものばかり食べててどうするんですか!」
虫歯になるだけじゃないですよ。
どんどん太っていくし、身体は疲れる、免疫力も落ちる、これはよくない、やめましょう!
って言います。
その人が一番好きでしょっちゅう食べてるものをやめさせるんです。

いちばん何がお好きですか?
マンゴー! いいですね。
マンゴーはいいですね。カリウムもいっぱい入ってるしね、おいしいしね。
どんなものがお好きですか?
チョコレート! おお! 兄弟!
わたしもチョコレート大好きなんです。
大好きなものやめろっていわれるの、ツライんですよ。
でも糖尿病はヘタすると最近は腎臓もダメになったり、透析になってしまったり、
ほんとに命を失うことにもなりかねない病気です。
これを診てらっしゃる先生方は、やめましょう、と言うんです。
「チョコレート? もってのほかだ! 食べたらアカン!」
「まあ、せいぜい、1年に1回!」
・・・とかね。そんなふうに言われちゃったりするわけです。
で、それで、あれをやめましょう、これをやめましょう、ってどんどん言われると、
どうでしょう? やめれそうに思う?
そう! 難しいんですよ!
おっしゃるとおりです!

やめろやめろといわれるほどこれがなかなかやめにくい。
じゃ、ここでどういういことが考えられるかというと『BOOOCS』(ブークス)理論、
というのが打ち立てられました。
これを一言でいうと何かといいますと、「やめろ」って言うんじゃなくて、
「まあ、チョコレート、少しならいいですよ」「お酒、ちょっとならいいですよ」、
「ベタっとジャムやあんこの入ったパンもちょっとならいいですよ」。
だけれども、「よく味わいましょう」って言うんです。
要するに1日我慢してた。1週間我慢してた、っていうと大概みんなドカ食いしちゃいます。
さすがにわたしもいまはしませんけど、昔なんかよく板チョコ何枚も食べて鼻血を垂れ流し
てた時代もあります。

そんな具合にですね、
我慢してたものを一気に食べちゃうと大体リバウンドが起こってしまいます。
そうするとそのときに血糖値がドーン!と上がりますから返って糖尿病が悪くなってしまいます。
それで、じゃあ我慢はしなくっていいけれども、ちょっと味わいましょう
って先生はおっしゃったんです。

味わうとどうなるのか?

チョコレートってね、よく味わうと甘いよね?
だいたい砂糖系のものって、砂糖やから甘いんです。
で、よく味わってますと、途中で嫌になることがあります。甘すぎて。
ほんとにひとかけでも十分、ひとかけでも多いかな、って思うようなことになってきます。

お酒もです。
お酒もカッカッカッってこう、駆けつけ三杯みたいに飲み方してますとガンガンいけるんですけど、
じっくりじわじわ味わって飲むとですね、お酒の微妙な味わい、というものがわかるからなんです
けれども、これが不思議とバカ飲みしなくなります。

・・・っていうふうに、ゆっくりしっかり味わいましょう、というようなことを先生はおっしゃって
くださって、それでこの『脳疲労』という言葉が世の中に広がっていったんですね。

ところが、日本人というのもほんとにもう忙しい民族でして、都会で働いている日本人なんて、
大体が毎日ヒイヒイ言いながら生きてます。
で、そうするとみなさん、脳疲労もあるであろうにもかかわらず、またこの言葉も忘れ去られて、
昨今ではみなさんもうほんとに身体も心も、身も心もヘバヘバで、というような状態の方が
(クリニックに)たくさんおいでになられます。

さ、ですので、ここでもういちど『脳疲労』という言葉を見直しましょう、
という話です。

さて、『脳疲労』とはどんな感じか。

●身体が特別に疲れてるわけでもないのに、何故か頭が動かない。
●仕事でミスが増えたり、なんかこうぼーっとしてる。
●なんとはなしに気もそぞろになる。
●何か一生懸命やってるつもりだったんだけど、ふと気がつくと自分が何をしていたのかわからなくなる。

そういうようなこと。物事に集中できない。
ほかには、これで眠れなかったりします。
イライラもします。
肩こりとか頭痛、目の疲れ、そういうのが出てきます。
それも実は、身体が疲れているっていうよりも、脳が疲れているんだ、ってことがその本体にあったという
お話なんですね。

たとえば患者さんが来て、
今日はどうでしたか? 疲れましたか? と聞いたら、
「ハイ、疲れたんです、先生。ほんとに今日はもう疲れてしかたがありません」
何をなさってたの?
「もう1日15時間、コンピュータの前でキーボードを打ってました」
って、身体は全然動いてないんです。
ちょっとお水やお茶飲んだり、トイレに行ったりはするけれど、ほとんど動いてない。
そんな仕事をしている人もいます。
ぜんぜん身体動かしてないんですよ。
毎日プールで5キロなんて泳いでません。
だけど、クタクタになっちゃう。
それで、いろんな病気が出てきてしまう。
さあ、そしたらその患者さんに「もうちょっと運動とかしたら?」と言ったら、「いや、もう疲れ果ててて
運動する気もないんです」とおっしゃるんです。
まあ、これはほんとに誰が見ても身体より脳と心が疲れてるなって感じがわかるわけです。

脳ってね、これ面白い臓器なんです。

1日の中で、例えばお仕事をされる。
それから家事をされる。
そしてまた家族とか、友達のために時間をお使いになる。
っていうなかでですね、みなさん、どんなことを主に考えてらっしゃいます?

「いましなきゃならないことのひとつ先、先を考えてる気がします」

ああ、先のことね・・・。
はい、なるほどなるほど。

そしたら例えばさ、そこのあなた、そろそろ春っぽくなってきました。でもまあ明日はまだ経験してない。
あさって経験してない。来年のこともまだ経験してない。
としたら、いまどんなことが思い浮かびやすいです?

「いまちょっとお腹すいてるなあ、とか、今日はあったかいなあ、とか」

うんうん、いいですね。
実はそれってすごくいいんですよ。
いまお腹すいてるぞとか今日はあったかいなとか、今を感じてるでしょ。
これってけっこう脳疲労が少ない人の感じなんですよ。

ではそこの方、例えばぼーっとしてるとき、どんなこと考えます?

「疲れてるときは昔の嫌なこと思い出したり・・・」

それ!
その答えがほしかったんです!
将来のことをお考えになる方より過去のことを考える方、これの方が実は大半です。
人間って、たとえば50年生きてきたら生きてきたで、51年めや52年めのことを考えるより、
いままで生きてきた50年間の何かを考えることのほうが多い動物なんです。