「歌の素、歌のエネルギーの創り方」5.最後は場を信じきる!
えー、ではさっきは身体を感じましょう感じましょうと言ってた
けれど、では運動はしなくていいんですか? って。
運動もしていただいてけっこうです。
もう全然やってもらってけっこうです。
ただ、無理はしないでエンジョイしてくださいということです。
サッカーする、バスケットする、それエンジョイしてもらったらいいんですけど、
ランニングする、ジョギングするといったときにやたら一生懸命やる、ヒイヒイ
ハアハア何がこんなに苦しいのかってくらいにね、それもまあ苦行にはなるんです
けどね。それもある種のドーパミンが出る方法なんで、悪いとは言いませんけれども、
けっきょく後でヘロヘロになってしまうことがあるので、
ぜひ楽しくやっていただきたいと思います。
そういう意味での運動はもうバッチリですね。
さ! そしたら、そんなふうに身体も作ってきました、いいものも食べました、
じゃあ、あとは何が必要か。
歌。
歌についてもういっぺん考えてみましょう。
歌ってなあに?
声を使ったパフォーマンスです。
パフォ-マンスってなんでしょう。
人様の前で何かやるわけです。
カッコいいなとか、きれいなとか、素敵だなとか、恐ろしいな、
いろいろあります。
でもパフォーマンスするわけです。
パフォーマンスの中には何が入ってるのかな?
メッセージなんですね。
いろんなメッセージがあります。
そのメッセージをパフォーマンスの中でだしていく。
でも、歌を歌うときだけ素晴らしいメッセージを伝えられるか?
ふだんはみんなとケンカしてる、誰とも口きかない、自分だけでいいやっていう
ガリガリ亡者的な感じでやっていて、それで大勢の人の前に出たからって、
そのときだけいいものを見せてあげられるかといったら、
やっぱり難しいと思います。
ふだんから人と人とのコミュニケーション、これを上手にやってメッセージを伝える
ことに慣れておく、ってことはすごくいいことだと思います。
だから、やっぱり外国人の人とコミュニケーションするのは難しいと思います。
言葉も違うけれども、その後ろにある文化の違いってのがあります。
文化が違ったら日本人がよく言う『以心伝心』なんてすごく難しい。
とりあえず(言葉で)言わな、しゃあない。
イタリア人、フランス人、ドイツ人、いろいろいると思うけど、彼らにはとにかく
言わんとわかりませんのでね。
で、言うことはなんら悪いこっちゃありません。
わたしはいまこの年齢で、この身長で背格好で、こういう感じで、歌といま取り
組んでいます、だからわたしはこういうふうにしてわたしを表現するんだ!
ってことで、まずは言わんとしゃあなくなると思いますね。
で、そんなふうにして、いろいろ自分を表現するときに、やっぱり歌は1人対大勢の
人のコミュニケーションなんですけれども、ふだんの生活であったら、自分と相手、
一人称、二人称、彼とか彼女とかいたら三人称もありだけれど基本2人でいたら2人の
コミュニケーションをしっかりする。
それをしょっちゅうやってますとね、コミュニケーションができると
人間ってうれしいんですよ。
でしょ?
孤独にならへん。
ね、要するにお友達、家族、コミュニケーションがうまくいったときってエネルギーが
たくさんもらえます。
すごくエネルギーの回りがよくなる。
さっきまではわたしは個人、自分1人の中でののエネルギーの回し方について
お話ししてきました。
ね、どうやって空気となじむのか。
どうやってどのチャクラをオープンにするのか。
どうやって頭をやわらかくするのか。
どうやって身体をほぐすのかとか。
これぜんぶ一個人、自分だけのことなんです。
でも、自分だけのことでエネルギーをうまーく回すってことには限界があります。
他人ともやっぱり回したらいいと思います。
家族、友達、仕事仲間、みんなと。
これが上手に回せていますとね、そうしますとすごくエネルギーの幅が広がります。
集団になって歌うとやっぱりすごく力が強くなるんですよ。
その力の強さが上手なコミュニケーションの上に成り立ってると
これはほんとにパワフルになります。
別に自分が歌うときはソロの舞台でやったとしても、おうちに帰ったら素敵な家族がいる、
仕事がひけたら友達と一緒に飯食える、何かそういうような、誰かとコミュニケーション
することでエネルギーを回す、ってことをふだんからやっていると、
中に溜まってくるエネルギーが非常に大きくなります。
もうそれこそ誰もおらへんかったら犬でもいいと思います。
わたしなんかうち帰るといつも犬が3匹いて、やつらとじゃれあってます。
それで彼らからいっぱいエネルギーもらえます。
そんなふうにして、自分の中でエネルギーをいっぱい回しだすと、そうするとこういう
メッセージののっかったパフォーマンスが少しずつですけれども上手になるな、
ってのがあります。
いまの犬、トイプードルでちっちゃいから家の中にいて、四六時中、世話してなアカン
のですよ。もう下の世話からね、飯から。
それから彼らも寄ってきてくれるから、夜一緒に寝てたりすると彼らの肉球マッサージを
やったりとかね。
でも、それだけやってると、ほんとにもう犬とでもコミュニケーションとれるようになって
くるとすっごいエネルギーもらえるんですね。
これはもうほんとにびっくりします。
そうすると、昔ある人が、今日は犬が死んじゃったからちょっともう仕事やめとくわ、って、
おい何よおまえ待てよなんやねんって、、、ね、そんなもん、犬が死んだくらいでそんな病院
休んでたらアカンやんけ! いう感じで、そんなん、ありえへんわ! っていうてたんですけど、
でもいま思えば、ほんとにその人にとって犬ってのはもうほんとに家族同然、自分の一部分やってんな、
っていうのが最近になってやっとわかります。
もちろんね、ワンちゃんが死んだからって仕事場休むのはできませんですよ。
だけれども、ほんとにそれだけ一個の生命に愛情かけてあげるってことがどれだけ逆に自分も愛情
いただけてうれしい状態になれるのか、っていうことを最近つくづく感じます。
ま、そんなわけでですね、コミュニケーションをとる。
ワンちゃんとでも、友達とでも、家族とでも、お客さんとでも、とにかくコミュニケーションする。
そういうことをどんどんやっていきますと、パフォーマンスするためのエネルギーはどんどんもらえる
ことになります。
さ、そこまでやって、エネルギーもたっぷりになってきました。
そしたらこんどはどうしたらいいのか。
じゃ、ここがわたしの舞台だとします。
今日のお客さんは5人いらっしゃいます。
じゃ、5人のお客様の前で歌うわけです。
で、歌うときになったら、もう四の五の言わないんです。
もう目の前にいる5人が自分の歌を聴きに来てくれてるお友達だと信じ切って、もう自分のための
お客さまだと信じ切って、まずもうほんとに、何も考えずにそう信じ切ります。
で、もっと言うと、今日のわたしの場合だったらパワーボイスやってるから、今日ここにパワー
ボイスセミナーを見守ってくださる神さまがいらっしゃると信じてるんですけれども、
じゃあここでわたしが曲1曲歌うとすれば、歌のサポートをする神さまが絶対いてくださると信じて、
どーん! ってこう、歌うんです。
で、もっと言うとうれしいことに、声ってでなくっても、歌心って伝わるんですよ。
たとえば、喉がカスカスの歌手がブルースを歌うとします。
カスカスの声でも一心にやってると、たとえ声はボロボロでも、ほんとにたっぷりした気持ち、やさしさ、
コミュケーション能力の高さやいろんなものがあると、意外となんか伝わってきたりします。
音ハズしたって伝わってきたりします。
ところがすごくきっちりしてる、喉もきれい、年齢も若い、元気、そういう歌手が元気にさらっと歌っても、
「はあー!」(拍手パチパチ)で終わっちゃう、ってこともたくさんあります。
だからほんとに一番最後、歌う前、歌う瞬間はもう場を信ずる、場と一緒になる、っていうのしかないです。
この場を信ずる、いうことですね。
それくらい、信じるいうことは、集中する、いうことなんです。
さっきも言いました、余分なことは考えないから喉に力が入らないんですね。
だからそんなわけで、ふだんから練習をし、空気となじみ、そして自分の身体の動かし方を知って、そして
場を知る、ってことをやるとですね、意外と歌うためのエネルギーってのはたんまりいただけます。
自分の中に眠ってたエネルギーもどんどんどんどん湧き上がってきます。
そうすると自分でも思いもかけないほど堂々と歌えます。
でもね、けっこう日本人っておしとやかな人が多いから、さっきもいったけれども地面を自分の足で
抑え込むくらいの、このどん! っていう感じの、下から上がってくるエネルギーをぞわ~んと感じる
ことが下手な人もいますんでね。
ほんとに場をたっぷり使っていただくってのをやってほしいいなと思います。
いいお声で、いい歌を歌うためのエネルギーというのがですね、いろんなところから身に着けられるん
じゃないかなあと思います。
ま、こういうことも参考にして、みなさんたくさんエネルギーを回しながらやっていってください。
どうもありがとうございました。