「ポップスって、なぜ売れる?」1.クラシックの定義とは

パワーボイスセミナー 第74回
「ポップスって、なぜ売れる?」

ポップスは人気があって、クラッシックはうけにくいのか?
レコード店に行ってみると、まあ、おどろくほどたくさんの
ジャンルの音楽が商品棚に並んでいます。
ジャズ、クラッシック、シャンソン、民謡、ロック、ミュージカル、、、
しかし、なんといっても洋の東西を問わず、一番、枚数多く並んで
いるのはポップスのコーナーです。
どうして、ポップスというジャンルの曲は売れる、つまり多くの
共感を呼ぶのでしょうか? 
今回のパワーボイスは現代におけるポップスの成り立ちから、その
受け入れられ方、また売れるポップスミュージックの創り方までを
勉強してみようと思います!

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はい、じゃ、みなさんどうもこんにちは!
今日はパワーボイスの第74回です。
ポップスって、なぜ売れるのか?
いろんなところでみなさん音楽をお聞きになると思います。
コンサートに行くとか、クルマを運転してるときにラジオを聴く
こともありましょう、また昔にくらべたらずいぶん減ってしまい
ましたけれどTVで音楽番組を見るとか、そう言うところでも間違
いなく音楽は聴けます。

で、これが『音楽番組』とか『MTV』とか、特に音楽を聴く番組
となると確かに昔より減ったのかな、と思いますけれど、でも
全ての、といっていいくらいコマーシャルには音がついてますね。
あれ、まったくBGMがついてないコマーシャルを探そうとしたら
難しいと思います。

もちろん、自然の音、小鳥のさえずりとか、小川のせせらぎとか
何かそういうBGMというよりは自然の音を使ってるというCMなんかも
ありますけど、テレビとか、何かしら視覚的なメディアにはやはり
音楽的な、聴覚的な、耳から入ってくる刺激があるわけです。

そのCMとか番組のBGMに入ってくる大体の音楽はポップスなんですね。
まあ、クラシックも使われることはあります。
でも大半はポップス。
じゃあ、なぜポップスというものがそんなに売れるのか。
たとえば、いまだったらJポップとかKポップとか、アジアンポップス
といわれる音楽もありますけれども、でもポップスといわれる多くの
ところはアメリカ、もしくはイギリスが起源であった時代を一斉風靡
した音楽がやっぱりメインなってるんですけれども、それはどうしてか。
今日はそういうことについてお話しさせていただきたいと思います。

どうでしょう?
ポップス以外でぱっと思いつく音楽ありますか?

   演歌。

演歌!
いいですねえ!

ほかなんかありますか?

   ジャズ。

ジャズ。
ジャズもあります。

どうでしょう?

   ロック

ロックねー♪

ロックはここでいいかな。
ロックがポップスに入ってくることもあるんですね。

なんかほか、あります?

   レゲエ。

レゲエ。ふんふん!
これも実はポップソングの中に入れられることあるんですねえ。

なんかありますか?

   民謡

民謡、いいですねー
民謡はあんまりポップスの中には入らへんからねー

   童謡
   
   歌謡曲

ああ! そのとおりやねー

いろんな音楽のジャンルがあるんですね。
ほんとに。

じゃあ、大体ポップスの中に入るのはなんなのかなー? というのを
具体的に言いますとね、まあ、ざっくり言いますとロックとかソウル、
レゲエとかラップ、あとまあ、ユーロなんてのもありますけどダンス
ミュージックとかね。
そういうのがいま一般的にはポップスとされているらしいです。

で、いまJポップJポップって言ってるのも昔はニューミュージック、
なんて言ったりね。それとかカントリー、って言ってたりしたことも
あります。

時代時代でいろんな音楽が流行っていくなかで、面白いことにいまこ
こに出てこなかった音楽の中に、こういうのがあります。

   クラッシック

クラッシックっていうのは、じゃあ、なんなんだ? 
よくクラシッククラシックっていいますけれども、クラシックの定義
なんて昔、習われました? 

 当たり前のようにkの音楽やってましたけど、時代は1600年から
 現代、、、でも現代も一応クラシックに入れてます。

ですよね。
クラシックっていうのもまたややこしんやね。
『クラシック』と日本語で言うと『古典音楽』みたいになるんですけど、
古典音楽って言っちゃうとまたニュアンス違うんですよね。
だからもういまはざっくり含めて『クラシック』と言っときますけど、 
コイツには明確な定義ってないんですよ。
ほんとに。いつごろか。

ただざっくりした定義で言いますとね、いつ頃からなの?と言いますと
だいたい18世紀。
18世紀って何年くらいかって言うと大体1700年代なんですね。
ですからもっともっと昔のもとうぜんクラシックなんですけれど、とこ
ろがね、1400年1500年1600年とかそういうような時代って
あんまり譜面がなかったんですよね。
だからちゃんと記譜をされて、譜面が作られて、こんな感じの音楽です
よ、っていうのを残してくれてるのはほとんど口承、口で伝わるものし
かなかったんですよね。
じゃあ、口で伝わるものっていうのに、いわゆる一般大衆、一般民衆が
こうちょこちょこっと遊ぶときに歌われるようなものっていうのはすっ
ごく少なくて、で、昔々というのはやっぱり教会音楽、そういうような
神さまにまつわることに対して、要するに『神事』ってやつですね。

かみごと。神事。儀式。

そういうのをやるときに音楽ってのが使われた、ってのが大体おおきな
くくりなんですね。

でも、そういう点においては、人間が言葉をしゃべり出した頃から多分
あったんだろうな、という。まあ、それを証拠に、っていうんじゃない
んですけれども、日本ではあれもひとつのちゃんとした歴史的資料とさ
れてるんですけど『古事記』。ありますねえ。あの中には天照大神さま
が天岩戸にお隠れになってしまったときに、天鈿女命(あめのうずめの
みこと)という人が一生懸命、踊りを舞いながら、まわりのみんながわ
いわいと音楽を奏でたんですね。そのときの音楽がどんな音楽だったか
というのは残ってないんですけど、でも、そこで音楽がちゃんとなされ
ていた、という記録はあるわけですね。

あとヒンズー教とか、バラモン教とかのインド系ですね。
あっちのほうのあたりでもいろんな音楽があって、その音楽祭式にのっ
とったものってうのはいまでも残っていて、いわゆるインド音楽的なも
のとか、あるいはインドネシアとか、まあ、あれヒンズー教が多いんで
すけれども、、、そういうような音として残っていたりします。
あのガムランなんてね。

とにかくそういう、ひとつの『民謡』っていってもいいかもしれません
し、その地域地域にある『伝承音楽』って言ってもいいですけれども、
その大体はもともとは神さまに関わるものが多かったんですね。

もうバッハなんてまるまるそうですよね。最初の頃。
だからそういった1600年代あたりからなんとはなしにいろんなもの
がしっかりしだして、で後々の人が「あ、昔どうやらこういう音楽をや
ってたんやな」というのがわかって、でそれが10年20年じゃなくて
ほんとに50年100年、100年またぐくらいになって「素晴らしい」
といわれて残ってきたのが最初『クラシック』といわれたんですね。

このクラシック、英語で書きますと、classic
この言葉で、class 、
クラスいうてもA組B組のクラスじゃなくて、いわゆる1級品2級品3級品、
みたいな。「上等な!」とか「1級の!」とか、「素敵な品格」「格式
のある」みたいな意味でのクラスという言葉がありますね。
そういうクラスのある音楽、っていうんで、クラシックっていわれてる、
という定義もあります。

だから、要は昔、もういまが2000年を越えてきましたので、3,400年前
くらいですね。もう3,400年くらい前から今に至るまで連綿と語り継が
れている、記譜されて。誰かが演奏して残ってる、そういうのをまあ
クラシックっていうわけです。

ところが。
3,400年前に戻ったら、これって実はポップスなんですね。
あったりまえですけど。
昔々、Sさんのおじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃ
んのじいちゃんくらいでエエわ! 5代ぐらい遡ってくれたらやね、
ご先祖さんが日本でやってはったあたりの音楽っていうのはやっぱり、
日本のクラシックなんですよ。
ずーっと長く残っている、ってことで、そういうクラスの、品格のある
音楽だなってされてきたわけです。