「パワーボイスってなんなんだ?」5.喉をひらく経絡と14筋体操
喉を広げるために、なんでそんなに脚のストレッチばかりやらなきゃならない
の? って思われるかたもおられると思うんですけれども、ほんとにお喉って、
ちょっとしたことですぐに閉じちゃうんです。
もうびっくりしただけで。
よく『息をのむ』ってありますよね?
そういうときはどうしてか、声にならない声の出し方というか「えっ・・!」
みたいになるのが多いですね。
びっくりする=ストレスがガン!ってかかるってことです。
ストレスかかると喉って締まっちゃうんですよ。
で、そうしたら何かひとつ歌を歌う、みなさんの前でパフォ-マンスする、
緊張がある、その緊張度が高まるとぜんぜん声がでない、、、みたいなね。
だから、ぜんぜん緊張せずにみなさんの前でお声が出せるって状態をつくろうと
思うと、これはもう繰り返し繰り返し練習も必要なんですが、ただ単に練習する
だけじゃなくて、身体全体を使いながらいつもお声をだす、っていうことをやっ
てると、喉が広がりやすくなる、っていうお話です。
人間の身体というのは不思議なことに、こう筋肉が走っているから、その筋肉に
基づいて動くだけ、神経に基づいて動くだけ、じゃなくて、しっかりした神経が
見えていない自律神経系で動いている場所っていうのがあるんですね。
これが任脈、督脈、その他もろもろありますけれども、大きな十四経絡、なんて
のがありますが、いわゆる血液とかリンパとかだけじゃなくて『気』といわれる
エネルギーですね、そういうのが流れやすい、まぁ、ある種の電流とおもっても
らってもいいんでしょうけれども、自律神経系の道、ってのがあります。
そこをいつも開いておくと、喉に余分な力が溜まらない。
(喉が)スカッとひろがって、「あーー」って声出そうとしているのに一生懸命
がんばってがんばって「あー」「あー」「あー」ってやってると変に喉が詰まる。
練習すればするほど喉がヒリヒリして痛くなって、挙句の果てに結節やポリープ
を作ってしまう。
っていうのもまずはテクニックのひとつとして、丹田のほうに力を入れて、横隔
膜を下げて、喉を下げて、、、これだけでも喉の詰まり感、喉が擦り減るってい
うのがなくなってきます。
14筋体操、っていうのがあります。
その14の経絡を広げるための体操です。
もう簡単ですよ。
最初にこうやって任脈あげまーす。
それから督脈をあげまーす。
それから胃の経絡をー、とか。
脾の経絡をーとか。
もうラジオ体操みたいな体操なんですよ。
こんなことやってね。
それで全部で14個やると、あら不思議!
ほんとに喉のつっかかりがちょっとラクになるんです。
だからよくわたし腕振り体操がいいって言ってますでしょ。
これはね、実は胆経ってところのね、胆のうを中心とした肝臓から胆のうを元気に
する体操なんですけれども、もうちょっと慣れてくると肺経ってのがありましてね、
こういう、高いところで手を上げ下げするって、こういうことやられてもいいです
ね。そうすると肺がまたラクになるというのがあります。
息吸いやすくなります。
そういう風な、14種類の筋肉を使う体操をしていきますと、この(胸の)あたりが
すごくラクになって、声がばん!って出せるようになります。
っていう、こういうシステムが人間の身体にはあるんですね。
ですので、そういうような東洋医学がもたらした経絡というものを鍛えることで身体
をやわらかくする、というのもあるんですが、、、まあ、「やわらかく」というと言
いすぎですね。あの、むしろ人間の筋肉のバランスを上手に整えられるようになる、
って言ったほうがいいですね。
やわらかくなる、といったら柔軟体操とかそっちの話なんですけど、余分な力がかか
りにくくなります。
そんなかたちでやっていきますと、ほんとに不思議なことに、人間の身体というのは
自由自在、自分の動かしたいように動かせるようになってきます。
そうやって土台を鍛えておきますと、土台を作っておきますと、今日あったいちばん
最初のシーンで、「うーーん、だんだん暑うなってきたよねえ。こんなとき、なんか
冷たいものでも食べに行かへん?」って、素直に言えるようになります。
なんで冷たいものが食べたいのか。
嫌いな人と行きますかいな。やっぱり好きな人やから。かわいいなって思うから。素
敵やなって思うから男は誘うわけですよ。
そんなときうじうじ何か言われてたら、ちょっと伝わらへんですよね。
やっぱりしっかり何か、言いたいこと、伝えたいことを伝える、ってときには、ほん
とにこれはなんていうのかなあ、、、まあ、これはねえ、長年の癖ってのもありますか
らね。もう、もしかしたら両親からの遺伝かもしれません。もしかしたら前世からの
遺伝かもしれません。そういう自分自身の脳みその回路にもぐりこんだそういう変な
プログラムなんかもありますから、そうそう簡単には買えられないんですけれども、
でも正直に、自分がいま、誰に何を伝えたいのか、自分は何を感じたから伝えたいのか
いちばん最初に今日お話ししたやつです。
何を感じてるのか。
疲れたわ。
うれしいわ。
楽しいなあ!
哀しいんや。
腹立つねん!
ね、何を感じてるのか、、、、、、
喜怒哀楽ってやつです。
で、(その感情が)すごいそのボリュームが大きくなってくるから、誰かに伝えずに
はいられない。あるいは、いや、もういちど自分ひとりにもっと伝えよう、自分の中
にフィードバックしよう。
それもいいことです。
なんだっていんですけれど、自分が何を感じて、誰にそれを伝えたいか、ということ
が明確になったときに、できるだけ余分なもの外して、伝えたい人に伝える。
そこに、パワーボイスっていう声が出る素地がでてきます。
で、その声を上手に作るために、喉、そして横隔膜、で、そのまわりにある筋肉すべて、
それはほんとに上半身だけじゃないです。
腹式呼吸だの胸式呼吸だの、呼吸にまつわるのは肺だけかというと、足もけっこうかか
ってくるんです。
そういうようなかたちでこの姿勢も大事ですけれども、その全部を整えることでラクに
喉がひらいて自由自在にお声が出せて、そして出てくる声は相手の心にちゃんと伝わる
と、いうようなこと。
これがパワーボイスのシステムです。
えー、また何かご希望の内容があったりしましたら、こんなこと知りたい、あんなこと
知りたいといろいろ教えていただけると幸いです。
どうも今日はみなさん遅くまで、ありがとうございました。